PeachFly さんの感想・評価
3.6
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメーションとしての作品表現がいまひとつ…
元々ゲームが原作のこの作品、それもいくつものルートを楽しめるえっちゲームなので話の展開がいくつものパターンに分かれています。 その展開をそのまま毎週放送されるアニメーションに持ってくる手法が… やはりちょっとミスマッチ…かなと全話観た後でそう感じました。
{netabare}
[話の進め方について]
ゲームでは、一人の主人公 (春日野 悠(かすがの はるか) が対象となる女の子と仲良くなり、最終的に xxxするまでが1つのルートで、他ルートでは女の子が変わり、同じようなシチュエーションを楽しめるようになっています。 ゲームでは選択の主導はあくまでプレイヤー自身であり、1つのルートが終わって一区切りしたところで、気持ちの切り替えもできるので、個人差のあるゲームの進め方であっても問題は無かったと思います。
一方で、TVの放送は一般多数の視聴者に対してですから、このゲームの進め方・展開をそのまま持ってくるにはちょっと無理があったように思います。 何故なら、TVでは話の進み方が時間で決まっており、視聴者の理解に関係無く話の展開がされるからです。
特に1クールの中に4人のルートをそのまま入れようとして、わずかに3話程度で一人の女の子との話が完結し、次週から別の女のことの話になる…というのは、相当無理があるかな…と感じました。
ゲームにはゲームの表現方法が、TVにはTVの表現方法があると思います。 ゲームはプレイヤーの主導で話が進むのに対し、TVでは判ろうが判るまいがおかまいなしに話がすすんでいきます。 ですから、多くの視聴者に理解を求めるのであればそのような話の構成が必要だったかと思います。
せめてルートを2つくらいに絞って、一人の女の子との関係をもっと深く表現したほうがよかったのではないかと思いました。
[性表現について]
TVで表現できる、ホントにぎりぎりのところだと思いました。
直接ボカシが入るようないわゆる18禁のアニメーションのような場面はアングルを変えて直接映らないようにしてあるものの、まさに本番の xxx をしている場面が多々出てきます。
特に最後のルートである、実の妹「穹 (そら)」との玄関先での xxxは、その行為をクラスメートに見つかってしまい、すべてが終わってしまいます。
う~ん、ちょっと激しい表現。。 電波に乗せて放送されるアニメーションで、ここまでやってもいいのか…と思いましたが、まぁこれも作品表現の一つなのでしょう。 でも、これは是非を問われる部分かと思います。
[近親相姦のタブーの表現]
フィクションのアニメーションだから、場面の設定は如何様にもできるし、ストーリー作りからするとイベント発生に都合のよい設定が必要になるのでしょうが、いかにも近親相姦を誘うような場面をわざわざ作って、放送されたという点には賛否両論あると思います (ゲームの原作通りなので仕方ないのかもしれませんが)。 穹のルートの場面設定が、
・両親が事故で亡くなっている。
・祖父が住んでいる田舎に兄妹で引っ越すが、一軒家に二人だけで生活。
・二人はお互いを意識している。
・穹はからだが弱く、誰かの助けが必要。
これは本当に賛否両論あると思いますが、公共の電波を使ってここまで性表現をしても良いのかという点では、「止めて欲しい」、「見たくなかった」… と思われる方もいると思います。 DVDとかでは実際に購入・レンタルという敷居の高さがある一方で、TVでは見たくないと思っている人に対しても作品の詳細まで見せてしまうという事がもっと考えられるべきだと思います。
{/netabare}
話の設定としては今までタブー視されてきた点に焦点を当てているということで画期的ではあるものの、あにこれのコメントにも多々あるように賛否両論の結果となり、より上位のランクが得られなかったのではないかと思います。
ただ、私としてはこの性の問題を茶化さないで正面から取り組んだ作品としては評価できると思います。
<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 3
0:途中で挫折、
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^