ローズ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日本を代表するサブカルチャーの伝播
部屋に引き篭もっていた加納慎一(かのう しんいち)。
ある日、パソコン上でオタクの求人広告を見つけて応募する。
一次試験や面接に合格した慎一の働く場所は神聖エルダント帝国という異世界。
慎一はオタク文化を広める為に雇われて この世界へとやって来たのであった。
日本政府は「クールジャパン」という括りでアニメなどのコンテンツを輸出しようとしています。
本作品では異世界相手にオタク文化を広めようとしていますが、現実世界とリンクする箇所があるように思います。
秋葉原を代表とするアニメなどの日本のオタク文化。
上手に浸透させる事ができるようになれば文化を広めるだけでなくアニメやグッズなどの消費地とする事ができます。
日本のオタクの固定層だけを相手に商売していたらジリ貧になるのは目に見えていますから^^;
異世界と外国を入れ替えるだけで現実世界と同じような感覚で見る事ができます。
まず、問題になったのは言語の違い。
作中では指輪をはめる事によって相手との言語を共通化できますが、アニメや漫画の言葉には適用されません。
ここが現実感のあるポイントだと思います。
簡単に言語を理解できれば作品の理解も深まるのでしょうが、他の言語を習得することは難しいです。
日本人が字幕や吹き替え無しにハリウッド映画を見る事ができるかどうか、などと自分達に置き換えてみたら分かりやすいような気がします。
アニメなどに夢中になっている人達にとって、本作品の異世界は理想郷に感じるのではないでしょうか。
自分の得意分野であるオタク文化を受け入れてくれる人達が多い世界は居心地がいいと思います。
しかも、引き篭もり生活から一気に脱出、自分の趣味を活かしてお金が稼げるのであれば楽しい毎日が過ごせるのでしょう。
ただ、気になる点は、今まで趣味(娯楽)の1つであったアニメなどを見る行為が仕事になった途端、気楽に見ていたアニメなどが苦痛になってしまわないかという点。
仕事と趣味は違います。
今まで楽しんでいた作品でも無理やり押し付けられるようになってしまったら……
趣味として楽しんでアニメを見る段階が一番楽しいと思います。
文化を理解させるなど難しい事を考えるよりも、主人公である慎一目線で、自分のアニメなどの趣味を認めてくれて受け入れてくれる世界にどっぷりと浸かる見方が本作品の正しい見方のように思います。
難しく考えるのはお役所仕事と同じような物。
どうせ本作品を視聴するのであれば気楽に見たほうが楽しいですよね。
ポテチでも食べながら気軽に見る事をおススメします。