青陽 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
皆の心を奪っていく
まだスタジオジブリもナウシカも誕生していない頃。
宮崎さんの初監督作品です。
至る所に、後のジブリ作品につながるものを感じました。
・クラリスが軟禁されていた部屋の天井は、千と千尋の神隠しに出てくる坊の部屋に似ている。
・クラリスと伯爵の関係はシータとムスカそのもの。2人とも清楚で可憐、助けたくなるヒロインです。
・水没都市はラピュタのそれを思わせる。神秘的なシーン
・ラストシーンの別れ方とエンディングテーマの雰囲気は紅の豚に似てる。炎のたからもの、時には昔の話を…どちらも名曲です。
ぱっと思いついただけでもこれだけ。こじつけといえばそれまでですケド。
下手にTVでやる最新作を観るより、カリオストロを見返したほうが楽しめることが多いです。
カリオストロでは、最初のカーチェイスのシーンから派手なアクションで心を掴まれます。車で崖を登るトコとか、ルパンがお城を走って跳んでのシーンとか、現実ではあり得ないアニメーションならではの動きが好きです。
何度も観ているはずなんですが、毎回 初めのシーンってこんなだったのか〜と思うんですよね。OPでも炎のたからもの流れてるじゃん!って(笑)たぶんラストシーンが印象的すぎて全部ぶっ飛んじゃうからです。
終盤は、城に隠された秘密が明かされるシーンから最後まで一気に駆け抜けます。ちなみにコナンでもパク…似たような展開のお話がありましたね、探偵たちがお屋敷に集められて…烏丸邸だったかな。怪盗キッドのお宝に対する台詞もパ…似てたし。
ミステリー&ロマンスには鉄板のストーリーなんでしょうね!
それはさておき
一緒に行きたいというクラリスの気持ちに対するルパンの対応は
何度観ても良いです。受け入れたいけどそうする訳にはいかないという心の葛藤が時間をかけて描写されてます。
手の動きと表情の変化、特に庭師のお爺さんが現れた後
徐々にクラリスから離れていくときの切なそうな顔が見事です。
そして銭形警部の台詞、有名すぎるあの台詞。
ほんとにあの場面でベストであろう粋なことを言います、最後ウィンクもしてるし。粋な男です
ルパン達と銭形、皆が去っていきますが
残されたクラリスの顔は以前とは違います。
ルパンが撃たれ、銭形や不二子と共に撤退した時とは対照的に
この時のクラリスは希望に満ちています。
ナウシカと同じく島本さんが声を当てていますが、彼女の声は本当に美しく、まさにクラリスです。
次元も言ってましたが、クラリスは良い子ですよね。
敵に追われ、一刻を争うときに次元や五右衛門の身を案じる発言をして。あんな風に言われたら頑張っちゃいますよ、男なら。
そんな良い子を殺そうとする伯爵はなんなんだ!と昔は思ってました。クラリスの容姿を褒めたり、嫁にしたがったりしてたけど、結局はムスカと同じで
「相手が好きだから」じゃなくて政略結婚なんでしょうね。ついでに顔が良いから一石二鳥みたいな。
そんなんだから最終的には、自分に従わず 何処ぞの泥棒風情と仲良くするような娘なら殺しちまえってなったんだろうな。
あいつは まさしくゲロ以下の臭いがぷんぷんする糞野郎です!
…つい言葉が汚くなってしまいました。
やつは伯爵なんですが、ムスカと比べて全体的に紳士らしさに欠けるんですよね。初登場のシーンも、眠っているクラリスの手を取るところからなんか気持ち悪さが漂ってたし。
そういうところがムスカと似た境遇であっても、人気に圧倒的な差があるゆえんでしょう。名台詞の差もありますが。
アニコレを利用するレベルのアニメ好きで、この作品を観てない人はまずいないと思いますが
もしいたらぜひ視聴をオススメです。
しばらく観てないなーって人も、見返したらきっとまた心を奪われますよ