じぇりー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
二頭身化した時のお尻の可愛さは必見ョ★
視聴し終わって、まず感じたのは
「よくここまで考えたな~」
ということだ。
一見、霊現象やオカルト的なものを描いたホラー&ミステリーものかと思いきや、そこに心理学・脳科学・宗教・神話・生物学・哲学・宇宙論…など多種多様な解釈や要素が加わっているのが特徴的な、異色の作品だ。
2007年のアニメだというのに、未だ記憶に新しい京都大学・山中教授がノーベル賞を受賞(2012年)したiPS細胞にまで作中言及があったのには驚いた。この作品を作るにあたっては、相当な取材を重ねたのだろうなと、ただただ感心した。
つまりそうなってくると、各分野を担うキャラクターが存在するわけで、登場人物が結構多く、人間関係も複雑に絡み合っている。
各分野の専門家にあたるキャラクターがきっちり台詞の中で解説しているとはいえ、難解な専門用語が頻出するせいで、少々とっつきにくく感じるかもしれないが、あくまでこの作品の本質は、少年たちが各々抱えている辛く苦しい過去に向き合うため、時に過ちを犯し、時に傷つきながらも成長していくところにあると思う。
そういった意味では、本作はオカルト&ミステリーとしてよりも、ヒューマンドラマとしての側面の方を大きく評価したい。
子供たちはもちろんのこと、大人たちの関係性や心の変化もしっかりと描かれていた。
一部、「この人のこの件は結局どうなったの?どういうことだったの?」と謎が残る部分もあるが、物語の主軸がきっちりと完結しているため、「そこの点はご想像にお任せします」ということなのだろうなと、特に不満に感じることはなかった。
主人公・太郎の声には、最初こそあまり抑揚のないしゃべり方に違和感を覚えたが、未熟さと繊細さを持つ成長途中の少年らしさが出ていて、むしろこの方がナチュラルでいいなと感じた。ただ、他のメインとなる2人の少年の中の人が、「ザ・アニメ声優」なので、少年たちの掛け合いのシーンは正直若干アンバランスである。
ナチュラルな子供らしさが出ていたと言えば、小学生の少女・都と眼鏡の少年・道男の声は、さすが!といったところだろうか。
ED曲はメロウな曲調で、幼いうちから重いトラウマを背負ってしまった少年たちを慰めるような歌詞・メロディーが作品に合っていて良い。物語が進むにつれ、誰の心情を歌ったものかが感じ取れるようになってからは、さらに深みを感じることができた。
万人受けはしないかもしれないが、個人的には良い作品だと思った。
あまり専門的な部分に気を取られすぎないことが、この作品を楽しむポイントなのかもしれない。