skarubos さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
映像もいい(古くても)
この作品、いかに示唆に富んだ物語かとか、精神病理的な考察とか、あるいはlainがどうしようもなくかわいいとか、そういったことは語りつくされていると思うので、観てみるか迷っている人、特に「名作とは聞いているけど古いアニメだしなぁ」と思っている人向けに一つだけ。
映像も見飽きることはなかった。
今回、ゴールデンウィークのabemaの企画で放送されていて、10年以上ぶりに見返した。正直、1998年のアニメだし映像は期待せず物語を楽しむつもりだった(前見た時は寝ぼけ眼で一気見して内容はそこまで理解できていなかった記憶)。
見終わった結果、一番の驚きは予想外に映像に引き込まれたことだった。もちろん画質はブラウン管仕様の640x480ピクセル、CGはいかにも初期のガビガビ、作画は最近のヌルヌル動くものとは比べようもないが、しかし、演出意図をちゃんと感じるよく作りこまれた映像で見飽きることはなかった。表情は感情の機微をよく表しているし、気持ち悪いものは本当に気持ち悪いし、怖いところは本当に怖い。同じ時期にディズニープラスで(相当な製作費をかけた最新作の)オリジナルドラマも見ていたが、映像の満足度でもそれに劣らなかったのは不思議なほど。おそらくアニメ的映像表現が好きな人はLainの映像も楽しめるはず。
付け加えると、ストーリーの内容も全く色あせていなかった。どころか、今だからこそ、SNSが普及して、インターネットが生活の隅々まで介在し、人間よりも賢そうな文章を書くAIが登場し、6000基を超える人工衛星がインターネットを提供する現代にこそ、あるいはメタバースがブームに終わるという経験をした今だからこそ、より楽しめる内容っだった。