シス子 さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

先に断っておきますが、「農家の嫁にだけはなるな」と親からきつく言われております

原作は未読で視聴しました

北海道にある農業高校が舞台
高校１年生の「八軒勇吾」（はちけんゆうご）くんが主人公です

サラリーマンの息子で農業とは全く無縁だった
はちけんくんが
学校での授業や実習をとおして
農業の大変さや命の大切さ
そして
食のありがたさを学んでいく姿が描かれています

はちけんくんのクラスは「酪農科学科」という学科
ということで
主に畜産酪農のお話がメイン

牛さんや豚さんや鶏さんですね

出産から
飼育
そして
屠殺
その先の食べるところまで
現実的で
とても生々しく描かれています

とはいうもののキャッチコピーが
「汗と涙と家畜の酪農青春グラフィティ!!」ってなってるので
男子高校生の学校生活の様子もちゃんと描かれてます
まあ
農業高校なんで
ほとんど農業に関わることばかりなんですが＾＾


さて
この作品
「食」とか「農」についてが主なテーマだとおもっているのですが
（本当は「食と農」って書きたかったのですがどっかの団体のスローガンに被りそうなので控えました）

私が興味を持ったのは
はちけんくんの「農”業”」に対する思いの変化ですね

実家が農家というわけでもなく
農作業の経験もなく
農業に対してなんの興味もないのに
ある理由で農業高校に入学したはちけんくんが
生業としての”農”について少しづつ理解していきます

農業と生活・・・

そう
農家の方も生活がかかってますから
これはとても重要なことです
まあ
近頃は兼業農家の数が大半を占め
農業収入の割合が減っているのも事実なのですが

また
最近は
若くして農業を始める方が増えているようで
それはとても喜ばしいことなのですが
実際は
農作業そのものの厳しさは覚悟してても
農業経営の厳しさに直面し
挫折するという方もたくさんいらっしゃると聞きます

不安定な自然が相手の「理不尽」な業種ですが
人間社会も結構「理不尽」なんですね

話を戻して
はちけんくんが通うのは
大蝦夷農業高等学校（通称：エゾノー）という農業高校です
当然ですが
何かしらの形で農業に関わっている生徒や
農業関係の職を目指す生徒が多い

実家が農家で
家を継ぐ生徒

獣医を目指す生徒

食品開発を志す生徒

そんな生徒達とのコミュニケーションを通して
農業で生きていくことの厳しさを教えられたり
実際に酪農家でのアルバイトを経験しながら
生活基盤としての農業を知っていく

農業についての経験や知識のない
ましてや
農業について興味さえみせなかったはちけんくんが
生活の糧となる農業を学ぶというのはとても意味のあることだと思います


さらには
農業については
いわば”素人”であるはちけんくんの存在が
他の生徒にいい刺激を与えてる
っていうのも
印象深かったですね

家業としての農業を引き継ぎ
昔から農業をされている農家の方にとって
若い人材はとても魅力的なもの

それは
単に労働力というものだけでなく
新しい考え方や可能性に対する
期待もあってのこと

はちけんくんみたいな
農業のことを何も知らない人のほうが
いままでにない新しい発想で
農業が抱える問題を
打開してくれるのかもしれませんね

というわけで
続けて２期も観ます～


余談で

{netabare}私事で恐縮ですが

仕事柄
農業に関わることが多く（農家ではありませんよ）
たまに牧場や市場
屠殺場等（牛さんが解体される様子もじっくり拝見させていただきました）
現場に赴くこともあり
この作品は是非観ておきたいと思っていました


今期（２０１４年冬）は
本作２期の放送
同じく農業をテーマにしたラノベ「の○りん」のアニメ化
ということで
こういう作品がどんどんアニメ化されるって
嬉しいですね＾＾

ということで
ちょっとだけマジメに書いてしまいました＾＾

決して
シス子のおつむが変になったわけではないですよ＾＾{/netabare}