いなみ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
本当に全てをかけはじめて流せる涙!
競技かるたに青春をかける競技者たちを描いた感動作、第2期。
アニメーション制作は1期に引き続きマッドハウスが担当。
まず思ったことはアニメ自体が綺麗になっている事、単に制作費をかけたとか作画枚数が増えたとかではない。
1期を経てこのアニメの魅せ方、どこを丁寧に作ればこのアニメが輝くのかわかってきた制作サイドの努力の成果だと思う。
くねくね、サクサク動くだけが良いアニメではない!それを証明してくれる代表的な例だと思う。
OPは1期に引き続き「99RadioService」、EDも1期と同じく「瀬戸麻沙美」が歌う、こういった起用はファンにはとてもうれしい!「あぁ、ちはやふるが帰ってきた」と実感できる。
2期も2クール全25話。
個人的には、主人公以外に「真島太一」「大江奏」に注目して観るのが面白いと思う。特に何かのスポーツや競技に真剣に取り組んでいる人、または取り組んでいた人にはきっと励まされるセリフや行動がいくつも出てくるはずだ。
大江奏からは、ひたむきさ。体格や能力に差があっても最後まで『自分』を貫く強さ!そしてなによりその競技の根本(基本)を大切にする姿勢!
真島太一からは、「現実に存在しうる強さ」(これは自分自身が痛感し感銘を受けた部分)。
実力はあるのに試合では勝ちきれない。
自分の努力をまるで無駄だと言わんばかりに見せ付けられる才能。
ピンチの時、運や周りのせいにしてしまう自分。
これは何かを競う競技に限ったことではない、仕事でも勉強でも日常生活でも必ず多くの人がぶつかる壁ではないだろうか。
真島太一はこの全てを受け入れ乗り越えた。
下を向きそうになりながらも一切言い訳せず前へ進んだ。
(これぐらい努力してはじめて「神頼み」ってしていいんだな・・・と自分の甘さに気付かされる)
そして手に入れる・・・アニメとは思えないほどリアルな「強さ」。
アニメのヒーローが必殺技を会得したのとはちょっと違う「絶対負けない強さ」ではなく、「負ける事も全て受け入れた上で立ち向かっていく強さ」
「才能と戦う覚悟」(いい言葉だなぁ)。
ちはやふるには他にも多くの名言や行動の指針となりえるエピソードが出てくる。もしかしたら「ヒカルの碁」や「スラムダンク」以上の自己啓発系の本ができるのではないかと思ってしまうぐらいだ。
原作ストックの関係上、3期はあってもだいぶ先になりそうだが・・・きっと最後まで作ってくれると信じている。
「この感動を熱く語り合える仲間がほしい!」久々にそんなことを思わせてくれるアニメだった。