いなみ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人生に脇役などいない!みんな主人公だ。
「この作品のアニメ化は絶対に面白い!」と確信しての視聴。
なぜか?
それは『音』が重要な要素になるからだ。
それはたぶん「のだめカンタービレ」がドラマ化され人気に火がついたのと近い現象。
よほどのクラシック好きでない限り「のだめ」に登場するクラシック音楽の音源を全て知っているということはないだろう。それが映像化され音楽が感覚的に耳に入ることによってイメージが明確になり、より物語へと引き込まれるのだと思う。
(現に原作ではあまり使われなかったベートーベン交響曲7番は「のだめ」の代表曲として今でも日本のコンサートで大人気)
そしてこの作品は「競技かるた」をテーマとした作品、「かるた=歌」なのである。しかもおそらくはクラシック音楽よりもその音源を聴いた事のある人は少ないであろうと思われるほどマイナーな音源。
気になって競技かるたの動画を見てみたのだが、歌のやわらかい雰囲気から一転して畳を叩く激しい音へ、静から動への変化の激しさ、かるたへ向かう競技者の迫力にかなり驚いた。
原作でもその様子をうまく表現していると思ったのだが、やはりこの迫力は映像化してこそ多くの人に伝わるのではないかと思う。
さらにこのアニメは結構原作に忠実に作ってあるため、こんなにマニアックな競技を題材にしているにもかかわらず一見さんいらっしゃいである。
そしてストーリーの中に競技かるたのルールなども丁寧に描写してあるので安心して物語に入り込むことができる。
作画、演出も丁寧(さすがマッドハウス!)。OP・EDともに良い曲(特に「そしていま」は雰囲気抜群)、作中音楽のセレクトも良いセンス『音』が重要なポイントであることをよくわかっている感じが伝わってくる。
声優にも注目、特に主人公を演じる瀬戸麻沙美さん。当時はまだ19歳くらい?20歳そこそこの演技力ではない(後で年齢知ってびっくりしたwww)。主人公抜擢秘話にも、この人の非凡な才能を垣間見ることができるので興味のある方は調べてみてほしい。
女性に人気のある作品だが、男性が見ても十分に面白い。
2クール全25話。
序盤は主人公のかるた脳&鈍感っぷりにイラっとするかもしれないが、それはこの作品の狙い・・・。
この主人公のキャラ自体がいろいろな複線になったり、他のキャラクターが脇役でなくそれぞれ物語の中心となる要素にもなっているためちょっと我慢。
書きたいことはたくさんあるが、この作品に関しては多く語るのはヤボになりそうなのでまず観てみてほしい。
最後には、数々の名言、感動シーンにきっと目頭が熱くなる。