「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(アニメ映画)」

総合得点
86.8
感想・評価
1963
棚に入れた
9968
ランキング
185
★★★★★ 4.2 (1963)
物語
4.2
作画
4.3
声優
4.2
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

あおい さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

痛いほど切ない愛への追求に涙が出ずにはいられない

作画の美しさは申し分なく、さらには美術監督の稲葉邦彦氏と

音楽を担当している梶浦由記氏の功績が際立っている。

虚淵氏らしいシナリオであると感じました。

単刀直入に言いますと妥当に収まった感があります。

ほむらの宿命に悲しみを感じもします。


ここから下は、凄まじい私的理論と私的根拠です。

虚淵氏がほむらに投影した元はルシフェエルでしょう。

名前のとおり「暁美ほむら」を直訳すると

暁美は暁の美しさ、いわゆる「明けの明星」でありルシファーの二つ名です。

ほむらは、ねたみ・怒りなどの激しい感情や欲望で燃えたつ心をたとえていう語です。

まさに、その名に恥じぬストーリーのファクターへとなりました。

神とルシフェルの関係も模倣しているように思います。

神とルシフェルはこの世界を共に創造し、ルシフェルは神を支え続けました。

ある日、神は人間を作ったわけですが、ルシフェルは神の愛は自分には

特別なものと思っていたのに、新たに作った世界の人間にも自分にも

等しく愛を与えていたことを「神の裏切り」だと感じ、深く憎悪を燃やします。

そして堕天してしまい、陰府に落とされたわけですが

切なくもルシフェルは唯一の愛を求めたと言われています。

これは、まどかとほむらの関係性と全く同じシュチュエーションです。

ほむらが何故、悪魔になるのかと言うと

そもそも、魔法少女は絶望のうちに絶命し魔女になるわけで

その絶望は呪いでありこの世のもの、この世に対する怨念に似た物を

胸に抱くことになります。

ほむらもまどかへの思いを糧に負の観念を増幅させ魔女化しました。

魔女化?何故いまさら魔女化なのか。

魔女化することは既に無いのでは・・・。

ソウルジェムも濁ることなくいつの間にか浄化されていくと

アニメや劇場版後編の最後でほむらとQBが会話していたのに。

ここからが最も壮大な話ですが、まどかは

「過去、未来、起こりえたかもしれない未来の全てを見渡せて、魔法少女を救済する」

ために概念となり、いわゆる宇宙・この世の森羅万象

つまり理そのものになったはずです。

「過去、未来、起こりえたかもしれない未来の全てを見渡せて、魔法少女を救済する」

違和感を覚えませんか?

そう、概念を化したのは「まどかとほむらが共に生き残った世界のまどか」です。

ほむらは時間軸を無視して何度も何度も繰り返しました。

繰り返したという事は、その全てでまどかは魔法少女になって死んでいる

ことを意味します。

という事は、まどかはまどかを救っているということになります。

すると、まどかがまどかを救うことになるのであれば

ほむらは時間軸を旅せずにすんだはずです。

一番最初のほむらへ還元されていくはずです。

スタート地点はほむらもまどかも一緒ですから

全ての時間軸のほむらが心の救済を受けると

ほむらはスタート地点に戻ってしまいます。

そんなことは「ほむらは望んでいない」わけですね。

絶望のうちに魔女になるのではなく

ほむらは、絶望とされる魔女化が唯一の希望となったわけです。

絶望しない魔女=悪魔=唯一まどかに触れ、相対し、存在を感じ

声を聞ける存在になった。

概念であるまどかに近づく方法として、概念の対義、特殊になることを選んだ。

抽象化したまどかを、特殊な具象化したほむらの愛の反逆が今、始まったわけです。

何に反逆か・・・まどかが概念化しなければいけないようなこの世界

円環の理のその理路自体ではないでしょうか。

鹿目まどか、、、いつも泣いてばかりのまどか。

そう、鹿の目に涙で漉と言い、不純物を取り除く意だ。

まどかは円、円環なのでしょう。

悲しみを取り除く宿命を課せられた少女を救うことを

欲望とした凄まじく燃え立つほむらのこころ。

涙なしでは語れません。


といった私的感覚です。

投稿 : 2014/01/14
閲覧 : 237
サンキュー:

7

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