景禎 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ザクイシャ イン ラブ
少年ジャンプ連載中漫画のアニメ化です。アニメ製作はシャフトです。「ジャンプのギャグ漫画をシャフトがアニメ化するのは無理があるのではないのか?」当初、そういういう不安がささやかれていたのですが・・・・結論から言ってしまうと、全くの杞憂でした!!それどころか、ジャンプ+シャフトによってギャグアニメの新境地が開拓された、と言っても過言ではないほどの出来栄えになってます。
初回冒頭。古いフィルムを映写するイメージで、スイスの高原を思わせるような幻想的な映像が流れます。主人公が小さい子供の頃、ある女の子と大事な約束をした・・・そして、そのしるしとして、彼はペンダントを、女の子はそのペンダントを開ける鍵を持って・・・
主人公(一条楽:らく)はやくざの2代目の、公務員になるため一流大学を目指すどこにでもいる(?)高校生。それが、ひょんなことから、ギャングの娘(桐崎千棘:ちとげ)と恋人のフリをするはめに・・・。彼にはクラスに好きな女の子(小野寺小咲:こさき)がいるのに・・・・という、少年漫画にありがちのベタな設定。
ヒロインの登場も、遅刻→トーストくわえて走って登校→主人公と衝突→実は転校生だった→なんでここにいる~!!。という超テンプレ展開!!
1話目で、ほぼすべての設定が詰め込みで説明されるのですが、設定内容がテンプレなのでそれほど詰め込み感はなく、あちこちにシャフトらしさをちりばめながらなので、かえって新鮮で楽しめるものになっていると思います。引きは十分ですね。
2話目以降は、学園生活ありプール有りスク水あり、温泉あり縁日あり海ありのギャグ色の強い王道ラブコメ展開が中心。そんな中、楽と千棘は、当初はいやいや恋人同士を演じるのですが、その関係も時間がたつにつれて変化していきます。まあ、このあたりも大体予想可能な展開ですが・・・
そのほかにも予測のできない展開とか、ほとんど無理やりの強引な展開とか「おもしろいことはすべてやります」的なギャグ根性がすばらしい。そして、それをシャフトがセンスよく昇華させてくれていますね。
中盤には千棘家のギャングのヒットマン(鶫誠士郎:つぐみ)、後半には警視総監の娘(橘万里花:まりか)という新キャラが加わります。主人公を中心に女の子が3人+1人の、いわゆるハーレムパターンではあるのですが、三角関係的なドロドロ展開は一切なく、ドロドロが苦手な私も安心して見ることができました。
現在連載中の作品なので無理ないのですが、{netabare}子供の頃に約束を交わした女の子が誰なのか(千棘?小咲?万里花?)は結局わからず仕舞い。{/netabare}全てを2期以降に先送りとか、いろんなナゾを放り出したまま最終20話が終わってしまいました。現状のままの設定をできるだけ長く続けて、新キャラ投入とかでテコ入れして延命する。いやぁ~ギャグ作品魂ですなぁ~。そういうのキライじゃないです。
主人公とヒロイン3人+1人はそれぞれキャラが濃く、彼らののキャラ立ちが作品になくてはならないのは当然ですが、えてしてこういった作品の良し悪しを決定づけるのは、周りにいる脇役のキャラだったりするワケですね。この作品では、小咲の友人宮本るり、楽の友人の舞子集(しゅう)、千棘の家のギャングのクロードなど、主人公、ヒロイン以上に個性的な面々が脇を固めており、演じる声優陣もすばらしい。磐石の態勢です。
OPは前半後半クールともkzさん+Clarisさんで、私にとってお気に入り。EDは3人のヒロイン+誠士郎の4本あって、最初は千棘、次に小咲、誠士郎、最後は万里花になっています。OP、EDとも音楽はもちろん、アニメーションはどれも見る価値有り有りです。