STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
現実を受け止める
原作は未プレイ。
野球チームなのに女子ばかり集めてどうする?と思ったりもしたが、まあ可愛い女の子が
いっぱいいる方が映えるということで(笑)。
原作ありの作品の場合、同じストーリー、キャラでも、原作とアニメの媒体の違いにより、
雰囲気が異なるものがあったりする。これは意図的にそうやっているものもある。
で、この作品に関して、前述のように原作ゲーム未プレイなのであくまで想像なのですが、
できるだけ原作ゲームの雰囲気に近づけたかったのかな?と思えた。
個々の話は決して悪くないのだが、2クールを通して観るとややブツ切れ感を感じる。
ゲームの場合、途中途中でクリアすべきイベントがあって、それぞれに区切りがあった方が
むしろ飽きさせないのだが。
あとコメディパートは正直滑ってる感があった。これもネタが悪いと言うより、媒体の違いに
よるものかな?と思えた。ゲームだと結構面白いものじゃなかったのかな?。
基本的には主人公である直枝理樹が、野球チームのメンバー集めをしながら、個々の
ヒロインの悩みを解決していくことの繰り返しで、個々の問題はまあお涙頂戴的と言えば
そうなのだが、個人的には結構泣けた。
この作品に限らず、この手のいわゆる泣ける話に関して、ネット上では「素直に泣ける」と
言う人と、「お涙頂戴的意図に醒める」という両論を目にするが、なんとなく両方の気持ちが
判る。
自分の場合、幼い頃はよく判らなかったが、ある程度感受性が身に付いてくると、こういう
話に感動するようになった。
ただ成長するにつれ、泣かそうという作為的な部分が鼻に付いて醒めてきたりする。
しかし、更に歳取ると一周回って、またこういう話に泣けるようになってしまった。よくよく
考えると泣かそうが、笑わそうが作り手の作為的要素なんてあるのはあるのは当たり前な
わけで、歳取って涙もろくなったせいかもしれないけど、作り手の意図に素直に
乗っちゃう(笑)。
この個々の話だけど、西園美魚の話から非現実的要素が入ってくる。それが能美
クドリャフカの話になると趙展開全開といった感じ。
個人的には「そういう世界観かあ」ぐらいで問題なかったけど、人によっては違和感を感じる
かも。
最後は9人集まって、試合をして爽やかに終わり。
しかし、「世界の秘密」は判らないままで、途中も随所随所に「おや?」と思わせるシーンが
多々あり、この辺は2期に期待といったところか。
と、ここまでは「リトルバスターズ! 〜Refrain〜」(以後、Refrainと表記)鑑賞前の感想。
以下はRefrain鑑賞後の感想なので、Refrainのネタバレがイヤな人は読まないでください。
Refrain鑑賞後に再度この作品を鑑賞すると、かなり印象が変わる。
Refrain鑑賞前にはよく判らなかった描写や台詞の意味が判明するだけでなく、たいして
意味を持っていなかったような部分も、実は深いものを持っていることが判ったりでなかなか
面白い。
個々のヒロインの問題解決もそれぞれ異なった事情があるのだが、「悲しく辛い現実も
逃げずに受け止める」という点で共通していることに改めて気付かされる。これも理樹の心の
成長を促すためのものだと思うと、なかなか感慨深いものがある。
ただ、個々の問題が死を前にしての心残りとなっていたものだとすると、ハッピーエンドに
終わっていた1期の展開に関して、現実は逆だったということなのだろうか?。
例えば
三枝葉留佳と二木佳奈多は和解できなかった。
クドリャフカの母はロケット打ち上げ失敗の時点で死んでおり、クドリャフカは母と再会
できなかった。
西園美魚は影のないまま、存在感のない存在だった。
宮沢謙吾は古式みゆきの自殺を阻止することができなかった。
などなど。そうだとするとちょっと悲しいね。
1期だけだと、単なる笑わせ役といった印象だった井ノ原真人だが、全ての事情を知って
いて、終始馬鹿を演じていたのだと思うと結構、心打たれるものがある。