plm さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
王道ラブコメと斜めなシャフトの合わせ技!?
原作「ニセコイ」はジャンプ連載の王道ラブコメ漫画、
対してアニメは一風変わった尖った演出で知られる「シャフト」制作。
この不揃いとも言える組み合わせでいったいどんなものが生まれるのか?! 気になって観てみた。
原作は未読ながら、思いのほかいい感じにマッチしているんじゃないか、というのが第一印象。
背景も明るくモブも珍しく描かれてて、シャフトによくある妙な仄暗さは感じない。
とはいえ独特な演出は健在で、結構原作とは雰囲気変わってそうだけどコミカルな面で活かされていた。
ベタなベースをどう料理するのか、アニメはアニメなりのスタイルを見せてくれるのか楽しみ。
▽観終わってみて
終わってみて、まず思い起こされる言葉は、
「オノデラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
これに尽きるのだった。いや小野寺健気すぎるでしょうほんと。
「王道」って、ありがちな展開だとかで、テンプレ要素が目につくことも多いと思うのだけど、
それはやっぱり見せ方次第で、ちゃんと心情理解できて、面白く描くことができるんだと再確認した。
■「ニセコイ」のキャラクター描写
この「ニセコイ」のキャラクター描写は、"飛ばしすぎず"、"引っぱりすぎず"、
実に適切なテンポでストーリーが進展していくように思える。
当初の懸念でもあった、連載漫画作品(その上ラブコメ)だし、話の引き伸ばしがひどいんだろうなぁ、
ということは覚悟していたのに、毎話見所を追っかけていたらあっという間に終わるほど見入っていた。
「鍵」という大きな題目はあるものの、そこに固執せず、
キャラ個性を際立たせる一個一個のストーリーに起承転結があって、区切りよく楽しめたのだと思う。
主人公が変に鈍感だったりということも感じなく、キャラとしての芯があって
むしろ気遣いできて行動力もあるいい奴、という風に見れたおかげで気持ち良かった。
■小野寺
ともかくキャラ描写が良いよ!という話から、それを踏まえて小野寺の話に戻ってくると、
この小野寺というキャラは本当にどこまでも正統派でベタなのだけど、まさにそれがいい!キャラ。
作品の構成的にどう見ても正ヒロインは千棘で、小野寺は理想的であっても(そうであるが故に)サブ。
だって相思相愛でした二人は結ばれました、ではお話にならないのだから。
(メタ的に)実らない恋であるせいか、どこか不憫さがあって応援したくなるキャラなのだった。
でもこの子がいたことで、主人公は精神的に何度も救われている、ある意味で主人公の理解者である……
というそれがまた、視聴者側の精神的にも救われる要素になっているのではないかと思う。
小野寺に関しては何度主人公にシンパシィを感じたことか。(オノデラアアアアアアアアアアア!!!)
中盤くらいからこの子がでてくるだけで癒されるくらいになったほど愛おしいキャラ。
■というかマリーもかわいいよね
一途&どストレート&引き際も心得ていて気遣いできる無双状態のキャラ。
基本奔放で気詰りしない雰囲気を振りまいているのもいい所。Yさんお目が高い。
楽さんお花畑すぎっぞ!
まぁともかく個人的にはこの二人が可愛すぎて毎週辛かった。
★まとめ
最初はシャフトがどうだとかジャンプラブコメどんなだろうか、とか色物目当てのつもりだったが、
蓋を開けてみればアニメ作品として見事に昇華されていて、実にいい仕事してると思う。
キャラの心情や場面展開を、絵やテンポ、映像と演出で効果的に表現していた。
主人公がヒロインにドキッとするシーンは、これでもかというほどキャラを可愛く描こうという力強さ、
凄まじい可愛さオーラのようなものをまとっていて、気圧されるレベルで真に迫っていた。
そういう辺りで真剣さを感じられるし、何より終始明るく楽しい作品だったのが良かった。
最初はさして関心もなかったのに、「ニセコイ」今ではとても好きな作品に。