かげきよ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
素敵な地獄でも地獄は地獄
地獄のお役人:鬼灯の日常を覗き観るシュールコメディ。
タイトルはなんか怖そうだし、地獄絵図っぽいスタートだし、声が稲川淳二だし
「なんだか嫌だなぁ~」なんて思って観たらあれっ!?
何ともシュールな笑いのアニメじゃないですか。
いやぁ地獄のお仕事も結構大変そうですね。
桃太郎とか昔話イジリはみんなが知っている話題なだけに
掴みとして扱いやすい題材なのでスタートには持ってこいでしたね。
桃太郎をイジリつつこの作品の世界観をうまく紹介していたと思います。
ぱっと見は平安くらいの雰囲気ですが食堂は昭和だったり
テレビは薄型だったり時事ネタ入れたりと
既存の地獄のイメージを元に『現在の地獄』を表現していました。
この世界観が鬼灯の冷静で落ち着いた雰囲気から繰り出される笑い(&時々キレて誘う笑い)を
引き出す雰囲気作りに良くマッチしていると思います。
やはり知的な鬼灯も鬼なので言ってること鬼畜ですね。サラッと言ってますけど。
ちょっとシュールな笑いの世界をしばらく堪能できそうです。
あと、EDは今回だけのミステリーハンターネタですよね??
【総評】
シュールなギャグアニメとして十分合格点。
ただし地獄での労働環境を面白可笑しく紹介しているネタが多いので
社会人の方がより理解し易くなっています。つまり大人向き。
雑学も豊富で作者もよく調べている印象。
流石に地獄には取材(と言う名の息抜き)に行けないので大変だったかも。
(でもオーストラリアには行っている気はします。)
怪談はよく観たり聞いたりしていますが「地獄」自体の知識は余り無かったのですが
この作品で見聞きしたり気になった事を調べたりして
少々ですが知識を増やしてくれました。
お恥ずかしながら「獄卒」と言う言葉すら知らずにいましたので…。(^_^;
怪談と言えばでお馴染みの稲川淳二さんもナレーションと一部のキャラ(?)
として参加しています。
彼の怪談と言う名の話芸には一目置き尊敬すらしていますがアニメにすると実力が出ず惨敗。
鬼灯の安元さんの声が良い意味で裏切ってくれただけにちょっと残念でした。
(直後に虫師の土井美加さんの語り聞いてしまって尚更…)
彼の名誉の為に言っておきますが「稲川淳二はこんなもんじゃねぇ!」んです!(^◇^;)
キャラも想像以上に個性的で地獄というフィールドでよく輝いていたと思います。
シロや茄子は容姿はそれ程でも無い癖に発言や仕草でかなり可愛く感じましたし
ツッコミ役の鬼火はツッコミどころか最早虐め、それ以上なのに
好感度は下がる事はなかったです。
何せ地獄なので普段なら行きすぎた暴力表現や理不尽さが「有り」になっていて
シュールな笑いを作り出してくれました。
観進めていくと地獄にも愛着が湧き、行っても良いんじゃないか?
と何となしに思ってしまったのですが最後は(ネタバレになるので書きませんが)
やはり地獄は地獄だな…っという余韻ある締めになっていて巧さを感じました。
人を選びそうですが社会人が気楽に楽むのにオススメ出来る作品です。