退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ハンカチでは足りない!愛と感動の涙腺崩壊アニメの最高峰!
前期はキャラの作画や主人公の朋也の性格に馴染めなかったりでなかなか作品に入っていけなかったのだが、今回はすでにキャラに情が移っており、始めからすんなりと入りこむことができた。
やさぐれていた朋也が渚を幸せにするために、若くして独立し社会の荒波にもまれ成長していく姿を心から応援し、渚とのままごとのような甘い生活にデレる。つい昔の自分を投影してしまわざるを得ず、何ともノスタルジックで暖かい気持ちで観ることができた。
渚が天に召され汐が誕生。その後5年も放ったらかしって...長すぎだろ!鬼か朋也。そんなつっこみをよそに、親子2人きりの旅行でギクシャクしながらも少しずつ心の溝が埋まっていき、祖母との会話で思いがけず父親とのわだかまりが氷解し、父親の愛を思い出す。そして汐との抱擁号泣の至高の感動シーン。
もう涙がとめどなく溢れて止まらない!この18話はまさに神作品と呼ぶに相応しいものだった。
家族愛。
人間愛。
それはこんなにも暖かいものなんだ、と。その普遍のテーマを最高の演出で表現してくれた制作スタッフの方々に、心からの拍手と感謝の意を表したい。
私事で恐縮ですが、僕も昔不仲な実家を飛び出して21才で結婚。25才でパパになり、十ウン年父親をしてきた経験から、朋也だけでなく親父さんにも秋生のオッサンにも深く感情移入をしてしまう。親父さんは心の弱い不器用な人間臭い人で、でも暖かい心と強い家族愛と責任感を持った人。比較的よくいるタイプの父親だと思う。しかし秋生のオッサンは凄い。5年も朋也に放ったらかしにされていた汐が短期間で朋也に懐くに至ったのは、ひとえに早苗さんと秋生が5年間、汐の前で朋也の悪口の類を一切言わなかったためだと思われる。お父さんは汐を本当に愛してますよ、と言いながら育てたのだろう。夜泣きやおむつ替え病気や食事、しつけ、わがままやいたずらの世話...5年間、それらすべてを肩代わりしながら...。
他のさまざまなエピソードからも、この夫婦の愛情深さは本当に菩薩レベルで、感動させられ、胸が熱くなる。
ラストは終わりの世界の絡んだ奇跡により街は渚・汐存命ルートに戻って、ハッピーエンドに。理想的な結末だとは思うが、渚逝去後の展開も感動的なものだっただけに、何だか夢オチ的な唐突感があって個人的には違和感が残った。僕は「終わりの世界」のプロットに関しては深い考察は持っておらず、「考えるな、感じるんだ」的スタンスで観ていたから、理解が足りずスッキリ腑に落ちないのだろうか?むむ。
関係ないが、この「終わりの世界」的な世界感が好きな方には、村上春樹の小説「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」をおすすめしたい。できれば冬に読む方が感じがでます。
ついだらだらと思いつくままにここまで書いていきましたが、まとめると表題のとおり「ハンカチでは足りない!愛と感動の涙腺崩壊アニメの最高峰!」です。こういう作品が世間で正当に評価されるようになれば、僕らも堂々と「趣味はアニメ鑑賞です」と言えるようになるのだけどw。