てけ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
視覚情報死
原作未読。
計5作のエピソードからなります。
・猫物語(白)
・傾物語
・囮物語
・鬼物語
・恋物語
正直最初はおなかがいっぱいでした。
まただらだらと会話劇が進むのかなーと。
そう思っていたら、鬼物語以降、一気に巻き返し。
鬼物語ではうるっときました。
思ってもいなかった切ないできごとが……。
{netabare}真宵(まよい)ちゃんとの掛け合いがなくなってしまいました。
どうでもいいと思っていたものも、失ってみると悲しいものです。{/netabare}
恋物語では貝木にほれました。
最高にかっこいいあまのじゃくです。
{netabare}
「言葉なんてのは全部うそで全部ペテンだ。どんな真実だろうと語った瞬間に脚色が入る」
これ、まさにそのとおりですよね。
できるだけ思ったことを伝えようとしても、必ず脚色や不足が発生してしまいます。
ほかにも名言のオンパレードでした。
特に勇気づけられた言葉は以下。
「別に幸せになることが、人間の生きる目的じゃないからな。幸せになれなくとも、なりたいものになれりゃいいんだし」
うーん、染みる……。
{/netabare}
なお、間に総集編が3回入ります。
暦(こよみ)鬼いちゃんいわく、「30分で回想するのは無理」とのこと。
しかし、密度の低い本作、十分に振り返られてましたよ。
したがって、この作品から見始めるのも無理ではないです。
とはいうものの、
化物語→偽物語→猫物語(黒)→本作
という順序で見たほうがいいですが……。
ところでこのアニメ、まじめに1話見るとかなり疲れます。
なぜでしょう。
人間は情報収集の80%を「目」に頼っているそうです。
しかし、この作品のだいじなポイントは「耳」による情報。
耳による情報収集能力は、目による情報収集能力の、わずか500~600分の1でしかないそうです。
・視覚情報:毎秒430万ビット
・聴覚情報:毎秒8000ビット
大量に流れてくる複雑怪奇な視覚情報。
脳はそれを処理するのに必死です。
そんな中、必要な聴覚情報に神経を研ぎ澄まさなければいけません。
その分、脳に負担をかけやすいというわけです。
物語シリーズ全般にいえることですが、重要な情報をふるいに掛けるのは大変ですね。