みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
魔王×勇者ものの一種なわけだけれども。
出落ちのコミカル作品。
魔王×勇者ものが、ここ数年『まおゆう』のお陰もあっておおはやりなわけですが、本作もその流れで出てきた作品の一つといっていいのでしょう。
そして、本作をみつつ魔王×勇者ものにも、現在いくつか系譜がでてきているのだなぁ、ということをしみじみと感じた次第です。
(1)リアルな世界設定とゲーム的なファンタジー設定をまぜまぜしたもの:本家『まおゆう』のように、それなりにガチな経済史などを踏まえて話を展開していくもの。九井諒子の『竜の学校は山の上』などの一連の作品もある意味でこの系譜に位置づけられるかと思います。ネット小説として好評を博した『魔王倒したし帰るか』などもこの筋に位置づけていいかもしれません。
(2)別のコンテンツの文法(ラノベ文法だったり、テレビドラマ文法だったり)の世界設定と、ゲーム的なファンタジー設定をまぜまぜしたもの:
深夜のTVドラマのショートショート的な映像づくりのやり方にドラクエ的世界設定を付け加えたものでヒットしたのが最近の『勇者ヨシヒコ』。ライトノベル的な文法にそのままのっけたのが、『伝説の勇者の伝説』。と、この手法でもここのところ多数ヒット作が出ております。DQとは別に、シミュレーションゲームなどの感覚とまぜまぜしているものに『勇者のくせになまいきだ。』などもありますが、いろいろと混ざるものですね。
で、さて、本作ですが、これは後者の系譜にはっきりと位置づけられるかと思います。つか、まあ、原作ラノベらしいし、読んでないけども、まあ素直にラノベなのでしょうね。たぶん。「はたらく」といっても、あんまりシリアスに働くというよりは、『Working』ぐらいの軽いノリ。ええ、まあ、「はたらく」と一概にいっても、いろいろな「はたらく」の中身があるものです。
同じ「はたらく」というテーマでも、「労働とファンタジー」というテーマを、九井諒子あたりに料理させると、非常にいいかんじにシリアスな雇用問題とか、経済問題がうまくかかれるわけですが、本作にそういうものを期待してはいけません。
基本的には、コミカルに、「魔王が、ファーストフード店でバイトかよww」というネタだけで引っ張っていく作品になるわけですが、そのネタを膨らましてどれだけ引っ張れるかどうか、ということがこの作品の核になるわけです。
ひっぱりは、まあ、だいたいワンクール13話ぶんで、退屈しない限度だったと思いますし、いい塩梅にコミカルでゆるい雰囲気で見られる作品に仕上がっているのではないか、と思います。
1.魔王×勇者系のネタが好きな方で、
2,ゆるいコミカルなものでも見ようかという気分のとき
には、みてもソンはないかなぁ、たぶん、と。
まあ、そのぐらいの感じの期待感でみると、ほどよく見られるのではないかと存じます。