jethro さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
本当の家族とは
突然の不幸な出来事により両親を失ってしまった姉妹
親戚一同の協議の結果、姉妹は散り散りに
しかし亡き姉の手ひとつで育てられた叔父にあたる大学生の祐太にとって
それは耐え難い出来事だった。
周囲の反対を押し切って、祐太は姉妹たちと家族として暮らす事を決意する。
人と人、家族の絆の素晴らしさを、爽やかなペーソスで描くヒューマンドラマ
まずこのような作品をアニメで表現しようとした事に心よりの拍手を送りたい
世知辛い世の中で、こういったことが当たり前の事でなく
ファンタジーとなってしまっていることに悲しさを覚えました。
リアルを追求すれば、きっとこんな事不可能なのかもしれない
でも多くの人は「けど・・・」と思うはず
そして多くの人は
姉弟や姉妹を救う事が出来なかった伯父さんや、叔母さんだと思う
私自身もそうだと思う
だからこそ、祐太と姉妹たちを応援したくなる
せめて物語の中だけでも夢をかなえてほしいと願う
細かい事言えば「それでは済まされない」事は多々あるし
「夢見過ぎ」という批判もあるかもしれません
あるいは「優しさの取り違い」と思われる方もいるかもしれません
しかし、人間は基本的に前向きであることを欲し
感情を大切にする生き物だと思います。
そんな真っ直ぐな気持ちを相手を傷つけることなく伝える事はとても難しい
でも、人情とか、相手を思いやる気持ちをもって
この真っ直ぐな気持ちを伝える事が出来たら素敵なのではないでしょうか
本作に登場する人物、それこそ青果店のオヤジから惣菜屋のおばさんに至るまで
全ての人々が情に厚い人たち
そんな心温まる人とのかかわり合いが、いちいち泣かせます。
こんな世界あるわけ無いのは良くわかってます。
きっとこの手の脚本を手掛けた事があるライターならば
彼らの行く手を阻む社会的な障害や、事故などを多数用意して
「社会はそんな甘くない」と彼らに厳しく接する事ではないかと思います。
でも、それこそ「当たり前のドラマ」じゃないでしょうか
本来投入すべき「鬼畜設定」を廃する事
それによって見えてくるものもあるハズです。
彼らは厳密に言うと、一人として血のつながりがありません
姉妹といっても、実は赤の他人なわけです。
そこに大学生の叔父が参加することで、更に他人が追加される
そんな、赤の他人の集まりが、助け合い、支え合いながら
やがて本当の家族になっていく、町全体が家族になっていく
そんなとてつもないドラマなのです。
いやー、ちょろいと言われそうですが、とにかく泣かされました。
繰り返しますが、こんな素敵なドラマを作ってくれた方々に感謝です。