jethro さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
神社を中心に描かれる人の輪
とある稲荷神社に暮らす
宮司の娘 まこと(女の子)と狐の神使(しんし) 銀太郎を中心に
学校の友達や町の人々との心の交流を描く神社アニメ
身近にありながら、その存在理由があまり知られていない神社
お寺は仏さん、神社は神様くらいの知識しか知りませんが
このアニメを見ると
「ふーん、神社ってそういう所だったんだ」とちょっとは理解できるかも
本作は信仰心を誘発するようなドラマではありません
ゆえに、奇跡のようなものは一つも起こる事はありません
様々な事件が起こりますが
どれ一つとして深刻なものはなく、何気ない日常の出来事であり
それを解決することが物語のテーマでもありません
人が集う場としての「神社」であり
近年、コミュニケーションに悩まされがちな私たち日本人にとっての
より所としての「神社」が描かれます。
リアルを生きている私たちにとっての日常とは何か?
それは、実に日常らしからぬものなのではないでしょうか?
このドラマに登場する人物達は、それぞれの世界をもっており
お互いにおよそ関連性の無い人生を歩んでいます。
そんな人々が「神社」という場を経て友人知人へと変化していきます。
結果だけ見ると、とても大きな変化
しかし、それが自然な出来事であり、ごくありふれた日常なのです。
現代社会に於いてコミュニケーションの場が必ずしも神社である必要はないと思います。
他にも様々な「場」は存在しますから
しかし、物事を根源的に考えてみると、日本人にとって最初に作られた
コミュニケーションの場とは
もしかして、こういった「神社」のような場所だったのかも
本作を見ていると自然な形でそんな事を彷彿とさせてくれます。
「人間関係は厄介で面倒くさい」そんな考えを忘れ
人情とか、ふれ合いとか、そんなものって、もしかして割と温かいかも
そんな事を感じさせてくれるホットなドラマです。