退会済のユーザー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
素晴らしい世界観
とても良い作品だった。
作画,音楽,声優全てが「蟲師」の世界観と合っていて、毎話(蟲師は一話完結方式)話に自然と引き込まれた。
『とても良い作品』と言ったが、実は私はこのアニメを観終わるのに結構時間がかかってしまった。
というのもこのアニメ一話一話がとても濃いため、話が終わりEDのスタッフロールが流れてくるとまるで一本の映画を観た後のような感じなる。そのため、ほとんど一日一話しか観ることがなく思っていたよりも時間がかかってしまった。
何が言いたかったかというと、つまり「蟲師」という作品はそれだけ完成度が高く密度の濃い作品だという事だ。
蟲師は演出面でも秀逸であり、一話完結形式であるにもかかわらず毎回様々なパターンで話を描くことによって、全26話を飽きさせる事なく観られるようにできている。
作画もとても良く、各話テーマカラーがあるなどその世界観は芸術的な面から観ても十分楽しめる物になっていると思う。
ぜひとも一度、この作品を観て欲しい。
【考察】※ほとんどネタバレはありませんが、一応隠しておきます
{netabare}登場人物が全員和服なのに対して、ギンコだけが洋服なのがとても気になった。その点に関して、以下私なりの考察を書きたいと思う。
(原作は読んでいません。アニメを観ての考察です)
一つとしては、ギンコの白髪や蟲師という職業が周りから浮いたものであるという比喩なのだろうと思う。
しかし、和服=過去,洋服=現代という風に考えると次のように考察するのも面白いと思った。
蟲の見えない普通の人間にとって蟲が原因で起こる現象というのはただただ畏怖の対象であり、それは一部では信仰にまでなっている。(第6話「露を吸う群」など)
つまり蟲とは「過去(和服)」の人間から見れば訳の分からない恐ろしい物であるが、「現代」の人間(ギンコ)にとってはそれはただの病の原因でしかないのだ。
過去の日本でも原因不明の伝染病であったり、自然災害などは訳の分からない恐ろしい物として畏怖されていただろう。しかし現代の人間にとってそれらは自然現象の一つに過ぎず、きちんと対策をとれば恐れるような物ではない。
つまり、ギンコとはそういう「過去(和服)」の登場人物たちに対して「蟲」とは私たちと同じ生き物であり、きちんと対策をとれば共存できる存在なのだと教えるためにいるキャラクターなのではないかと私は思った。
{/netabare}