田中タイキック さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
数年ぶりにサイゼ行ったら店員さんがiPhone端末で注文処理しててホヘーってなったよ
2010年4月~ TOKYO MX他にて放送
全13話 原作未読
北海道にあるファミリーレストラン「ワグナリア」で働く人々の日常を淡々と描く物です。過度な期待はしないで下さい。
そんな第一印象で見始めたこの作品。しかしてフタを開けてみたら
「さよなら絶望先生」並に極端なキャラ付けと
あっさりめなデザインに似合わずあざとい属性マシマシで
盤石な声優陣の掛け合いを乗せて
店長が食べるパフェのように甘々な恋愛要素を盛りつけて
チャーミングだけどワーニングな人間関係を描くラブコメ作品
やっぱり最大の魅力は絶妙なキャラクター配置と関係性
そして客商売としての組織をギリギリ崩壊させないバランス感覚
怠け者で常に腹ペコ、しかしバックには多くの舎弟を従えている元ヤンの用心棒兼店長がいて
そんな店長のお世話をすることが働くことへのモチベーションになっている八千代がいて
そんな八千代の店長への惚気話を聞きながら店長のメシを作っているうちにどんどん調理スキルが上がっていく佐藤さんがいて
そんな佐藤さんの溜まったストレスの捌け口にされるムードメーカーでありマスコットのぽぷらちゃんがいて
そんなぽぷらちゃんを愛でるためにバイトしている小鳥遊くんがいて
そんな小鳥遊くんに最初は反抗心から徐々に自分の体質を変えようとする伊波さんがいて
そんなみんなを見ながら常に楽しそうなことを考えている相馬さんがいて
奇人変人のバーゲンセールの中でこのような流れが奇妙な循環を生み
ありふれた職場内の出来事をちゃんとエンタメとして見せていたのが印象的でした。
それゆえに、なのか舞台がファミレスである必要性は薄く
ファミレスで従事経験のある人にとってのあるある話や経験の無い人へ強く関心を引く描写も無く
コンビニだろうが居酒屋だろうがこのメンバーなら外側を取っ替えても成立するよねって話で
ある意味キャラクターの万能感にすごく助けられている作品ではあると思います。
そんな職場内ドタバタコメディーからほんのりラブ要素を追加してくれるのが7話から登場の山田葵(仮)
本名、経歴、年齢その他もろもろ偽ってワグナリアへ来た彼女
明らかに家出少女っぽいし、やたら承認欲求強いし愛に飢えてる感じだし、仮想家族作って幸せな家庭を妄想してるし
この子の闇めっちゃ深そう・・・なんだけど暗い雰囲気になることは一切無く
良くも悪くも空気の読めない発言からメンバーの関係性を少しずつ揺らしていきラブコメ作品として良きスパイスになってくれた存在
山田登場から後半は伊波さんの恋愛へシフトしていく感じになるかと思いきや
山田自身ががっつりコメディ要因になっていったので終始一貫してギャグ作品だったなぁという印象
後半から小鳥遊家の人々や温泉回などワグナリア外での絡みも増えて山田登場から格段に面白くなっていったのは確かでしたよ。
【総評】
これ4コマ漫画原作っていうの最近知りました。
それもある程度ストーリー性があって連続した物語の中に4コマ目としてのオチがどんどんジャブのように打ち込まれていく感じ
それぞれのギャグ(オチ)の破壊力は全然大したこと無いんだけどそれが1話毎のテンポ感やメリハリに良いように作用してましたね
類似作品を挙げれば「未確認で進行形」とか「月刊少女野崎くん」あたりでしょうか
ジャンルも同じラブコメだしその2作品より3~4年以上も前から連載していたことを考えると
アニメ化が一定の成功を収めたのも必定
個人的にはラジオを毎回聞いてイベントのDVDを追っかけて見たりと
アニメ外でも楽しめた珍しい作品でした。
2期再視聴中。3期に備えてます(遅)