S.めぐる さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
こういうアニメが観たかった!!
物語:舞台は中世ヨーロッパにをモデルとした架空の世界。(建物と諸邦国がひしめくあたりから、神聖ローマ帝国下のゲルマン地方と推測される)時代は資本主義の黎明期。王侯貴族の没落から商人の台頭が始まる時代。主人公はそんな時代の行商。行商の最中出会ったのが土俗神の狼が化けた女性。北方に帰るまで送るという約束の下、締結・交易・裏切り・脅迫などと生き馬の目を抜く商人の社会で、二人謀略を張り巡らせる…といったような物語。しっかりとしたボリュームのある内容です。
声優:声優役自体が少ないためか、豪華な面々。ノーラ役の中原麻衣さんは「CLANNAD」の古河渚を思い出させました。
キャラ:心地よいほどにずるがしこいヒロイン。狼のようだといいますが、
狼そのものなので、いか仕方ありますまい。それに対応できる主人公もなかなかのものです。ヒロイン、ホロの唯一正直なところは、尻尾なのでしょう。
作画:この時代の(といっても2008年)流行りなのでしょうか。今日の作画に慣れている者には少し馴染めませんが、背景は奇麗なものです。
演出:カメラワークの素晴らしさは、圧巻です。正直な感情をなかなか見せないホロ。セリフのない時の表情に絶妙さを感じさせます。
音楽:唯一高評価を与えられない…静かながら盛り上がる曲ではあるのですが、いま一つ存在感が薄い。
しかし、物語と演出の繊細さには原作者さんと制作者さんたちの冴えを感じます。こういうアニメが観たい。切にそう思うばかりです。
大人のアニメですね。まさに「もっと評価されるべきです」