田中タイキック さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アルフォンスのふんどしの下に真理を見た
2009年4月~ MBS/TBS系列にて放送
全64話 原作既読
フィクションラインって言葉があります。リアリティレベルなんて言い方もしますけど。
何かというと作品世界内におけるリアリティの設定水準のことで、この作品はどこまでOKなの?の線引のようなもの。
このフィクションラインが低いとより我々の現実に則した世界が描かれ、ラインが高いと何でもアリな世界観が描かれます。
フィクションラインがストーリーの途中で急激に揺れ動くようなことがあればそれは「超展開」なんて呼ばれますし
逆にそれを利用してギャグとして処理してしまう作品もあります。
で、本作の鋼の錬金術師はこのフィクションラインの揺れ幅が非常に少ないのが特徴。
各話冒頭でナレーションされる錬金術の設定と等価交換の原則、これに大きな矛盾や崩壊が無く
強固な世界観を作り上げることが出来たのが要因でしょうか。
また、この世界観を元に展開されていくストーリーには大まかな区切りが無く、常に流動的で大きな1本の軸の中で描ききったのも特徴的。
もちろん箸休め的な回もあるし、要所々々でギャグを挟み緩急を付けてはいたんだけど
長期連載でよく言われる「○○編」みたいな分け方がハガレンにはあまり無かったと思います。
だからこそ先述したフィクションラインのブレ無さが余計に際立ちます。
要は突っ込みどころが少ないんです。少なすぎてつまんねぇよ!って言われるくらいです。
突っ込みどころというノイズが少ないからこそキャラクター同士のドラマ、作品のもつメッセージ性が素直に伝わるのも魅力。
そこら辺はもう見てない人は見てくれとしか言いようが無いです。
私が一番好きなキャラはキング・ブラッドレイ。
あの鬼神迫る迫力の戦闘シーンは原作でももちろん好きだけど正直、アニメの方のアクションに軍配が上がります。
あと最後のところな。{netabare}「あれは私が選んだ女だ。」{/netabare}のくだりな。
簡単な感想になっちゃいましたけどこの辺で。
今さら長々と語るよりシンプルに「コレ面白いです」とだけ。
放送当時は熱中してたんですよ。だって終盤で連載に追いついちゃったんだもん。
誰も先が分からない状況、友人同士で「ハガレンやべぇよ…やべぇよ…」って言い合ってたし、ネットもなんかざわついてた。
私の中ではこんな感覚を抱いたのは後にも先にもこれだけです。
貴重な体験だったなぁ