plm さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これが本当の悲劇のヒロイン 真ノ邪悪トハ・・
この作品を棚に入れた時、あにこれのレコメンド機能で
あなたにはこんなアニメもオススメにゅ… と紹介されたやつ
kiss×sis
ヨスガノソラ
お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!
うん、つまりそういうことなんだ・・
▼5話まで観て
これほど邪悪な霊は未だかつて見たことがない。妹のソウルジェムもそら濁るわ・・
鬱アニメばりに妹が可哀想すぎて感情移入してしまい、この作品に妙にハマってる
兄貴がいいやつなほど救われない苦悩 こんなにキャラに同情したことはない 悪霊許すまじ 破ぁ!!
これがもう完全にしっくりくる↓(ジョジョより引用)
{netabare} 寿 日和。 君こそ、真ノ邪悪ダ。
君には「敵意」がナイ。
「敵意」……
「敵意」には力が向カッテ来ル……
ヨリ強い力が「敵意」を必ずタタキにヤッテ来ル…
「敵意」はイツカ倒サレル。 実に単純ダ。
ダガ君は違ウ……
君には敵意もナケレバ、悪気もナイシ、
誰にも迷惑ナンカかけてナイと思っテイル。
自分を被害者ダト思っているし、他人に無関心のクセに、
誰カガイツカ自分を助けてクレルト望ンデイル。
だが、ソレコソ悪より悪い「最悪」と呼バレルものダ。
他人を不幸に巻き込んで、道づれにスル「真の邪悪」だ。 {/netabare}
▼観終わってみれば
TSTとか設定だけみれば変態でしかないのだが、ストーリーは意外にも読ませるもので、
エロ要素は過激なのだけれど、どこか良心的な部分もあって話はハートフルであるとさえいえる。
「妹のようすがおかしい」というタイトルからすると、妹モノにありがちな凄いブラコンとかが
思い浮かべさせられるのだけど、妹はいたってまともです。
妹の心情がめちゃくちゃわかるのが、ハーレム系の妹モノと違って本作の秀逸なところ。
キャラクターの感情がわかる作品は、話がちゃんと気になるしやっぱり面白い。
{netabare}
例えばTSTつけられて、まぁしょうがないかーってなったら設定とかコメディで済む話。
しかしこの妹の場合、本気で嫌がるし誰にも打ち明けられない苦悩もするし、軽くパニックにすらなる。
これがほんとに可哀想になる。馬鹿馬鹿しいけど本人は真剣なのが一層、悲劇的に感じる。
最終的にハサミで切り出そうとする辺り、ほんとに悲壮感あって気持ちが伝わってきた。
形はあれだけど、助けてほしくても誰も理解者がいない。滑稽に見えるけど必死に立ち回ってる、
そういう気質からカタルシスを得られる作品だったのだと思う。
それでいて、ずーっと苦悩してきたそのTSTが兄貴にバレたとき、絶望するほどの勢いの妹だったけど、
コスプレだと思われてて、思いのほか軽く受け入れられたことで気持ちが晴れたこと。
イイ話だよねこれ。自分もなんだか胸のつっかえがとれてすっきりした気がする。{/netabare}
幾重もの受難に遭いつつも、基本的には優しい周囲と自身の閉塞感に葛藤があったりして、
だからこそ、だんだんと愛着を持てるキャラクター性が良かった。
時折挿まれるイイ話には救いがあって、中でもこたつ回はほっこりして良かった。
タイトルの目の引き方と、この内容のギャップは斬新な着想だと思う。
ほんと設定とかエロ描写がこんな露骨じゃなければ万人に勧められたかもしれない作品だった。