jethro さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
報われないヒロインが涙が出るほど可哀相
鉄 大兎(くろがね たいと)はごく普通の高校1年生
彼は最近、不思議な夢を見ていた
そんなある日、街でトラックに轢かれそうになった女の子を救うが
自らが犠牲となってしまう・・・
明らかに即死・・・のはずだった・・・
本能のおもむくまま向かった場所に現れる夢の中で出会った少女
この瞬間から9年間止まっていたはずのものが動き始める
とにかく1、2話が強烈なインパクトをもった作品
「説明不足」のレッテルが貼られているようですが
そんなことよりも、主人公である大兎の不安定なキャラ設定が気になりました。
簡単に言うと「言ってることとやってる事が違う」ということなんですが
これにより酷く不幸な存在に陥れられるヒロインのサイトヒメアが
とにかく、可哀相で可哀相で仕方ない
ヒメアのキャラ設定がツンデレとかであれば、それなりに乗り切れるのかもしれないが
メンタル的に弱く脆い存在ゆえに
気配りの気の字も感じられない大兎の発言や行動に憤りを感じる
物語全体が
ヒメアを助ける→ヒメアを放置、遥(はるか)と仲よく→事件発生、ヒメア暴走
という酷いループで成り立っており
このループのそもそもの原因が大兎の優柔不断な責任感の無い行動であることに
気づいては→忘れ→気づいては→忘れとループ
ダブルループ・・・この人は瞬間記憶喪失なのでしょうか?
遥はとても素晴らしい幼馴染だと思いますが
それ以上に身をすり減らしながら、大兎を思うヒメアの報われなさ加減は
想像を絶する痛み
恋愛と恩は違うのかもしれませんが、普通ここまでしてくれたら
手放しで惚れちゃう気がするんですが・・・
ゆえに、視聴している身としては主人公と心の同期が図れない
つまり作品として共感しずらいです。
優柔不断な主人公でも、相手如何によっては許せる事もあるんですが
「実は好きな人がいるんだ」とフッてしまうと
今回のヒロインは二人とも泣くだけじゃなくて、自殺しそうな勢いなのはちょっと・・・
どっちか一人でも、カラッと笑いに転化できる性格だったらなぁ
碧水 泉(あおみ いずみ)のようなキャラが一方のヒロインだったら
ずいぶんと良い具合に違ったのではないでしょうか
物語自体はとても良く構成されており、最後まで見れば
回収されない伏線はそれほど多くはありません
ただ、どうしても、三角関係中心に描かれるため
大枠であるところの世界観について一切語られていないので
これが気になりだすと
本作を全く楽しむ事が出来なくなってしまうので注意が必要かもしれません