ストロベリー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
忍び寄る京アニの亡霊
音楽,作画,演出,脚本,原作、全てのパーツが神だっと思います。なのに、この作品は呪われている。京アニの亡霊に呪われている。
全ての部分がハイクオリティなのに神アニメとは成り得なかった。平均点を見るにも良アニメ評価が妥当。
なぜか?
良い演出や作画に感心するたびに、「京アニだったらどう描いただろう」という疑念が立ち上がり、否が応にも京アニの影が忍び寄る。
恐ろしいことに、素晴らしいシーンであればあるだけ京アニの影は濃く浮かび上がる。
物語も佳境、最高の制作技術による最高のシーンを迎え、最高の感動が怒涛の様に押し寄せ、まさにピークに達する・・・その5秒前にふと思う。
「京アニだったらどう描いていたんだろう・・・。俺は今“最高”と形容したが、本当に“最高”なのだろうか? もし、京アニもリトバスを制作していたとしたら、俺が今観ているこのリトバスを“最高”と形容できただろうか。」
そんな可能世界の京アニの亡霊に心を奪われている間に、感動のピークはいつの間にか過ぎ去ってしまう。
決して感動できないわけでもないし、それどころかずば抜けて良い作品だとさえ思う。
だのに、「最高だ!」という一言が、どうしても喉の手前でつっかえて出てこない。
そういう悲劇性もまとった作品だったと思います。