yuki24 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
タイトルなし
sfサスペンスの傑作だと思います。テーマはタイムスリップです。この世界にはいくつもの世界線があり、タイムスリップで過去を帰ると別の世界線に移動することができます。このとき人の記憶はその世界線での記憶に再構築されます。
ただ一人物語の主人公である岡部を除いては
岡部は世界線を移動したときリーディングシュタイナーとい力で(笑)元の世界線の記憶を引き継ぐことができます。この世でただ一人この変化を認知できる岡部はopの通り孤独な観測者となる訳です。
物語はこの岡部の視点で語られます。
タイムスリップについてのタイムパラドックスについて色々なsf作品を見て誰もが一度は考えたことがあるんじゃないでしょうか?違う世界線での自分は別人なのか?この世界線ではある人が死んでいてもダイバージェンス1%の向こう側でその人は生きているんじゃないか
人間は根元的に時間的存在である
とは作中でも出てくるハイデガーの引用ですがこの作品では色々な世界線の統合的な意志が人間であるという解釈をしています。実際岡部は色々な世界線での自分の意志を引き継ぎ一つの答えを出せます。またその過程で色々な世界線でのクリスとも出会いますがその全てのクリスが岡部の中でのクリスという存在を形作っています。
見れば見るほど深い作品だしひとつひとつの会話にも伏線が張り巡らされていてこれほど完成度の高い作品にはなかなか巡り会えないと思います。ぜひお勧めしたい作品のひとつです。