krgy さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
質の高い三角関係・恋愛物
icを13話でうまくまとめてきた印象です。
と言っても原作の7~8割くらいでしょうが、自分はそれでも満足できました。
話の内容は普通の三角関係を描いていて、突飛な部分は特にないと思います。人によっては「ありきたり」「ベタベタな展開」という評価になるでしょう。ですがその普通の三角関係を、これでもかというくらい丁寧に、そして綺麗に描いていることは十分に評価できるのではないでしょうか。ここまで恋愛・三角関係の難しさが伝わってくる作品は他に数えるほどしかないと思います。また死生観を利用せずに、キャラに感情移入させる技術も素晴らしいですね。
そして最終話の演出もすごいです。かずさの曲を、かずさのことを想って書いた春希の詞で、二人の間に届かなかった雪菜が歌い終幕…やはり丸戸さんはやり方がうまい。ずるいくらいに。
さて、本題に入ります。
なんでこんな結末になったのか?
好きという気持ちを隠して、自分に嘘ついて逃げようとしたから?
ずっと憧れてた人を勝手に諦めて、でも諦めきれない内に他の女と付き合ったから?
二人が相思相愛だということに気付いていたのに、割り込んで関係を壊しちゃったから?
自分は全部だと思います。誰かが悪いというより全員悪いんですよね。
三人とも弱くて、不器用で、周りを考えつつ自分の気持ちを優先して、それで三人とも傷ついてしまった。
もしかずさが気持ちを伝えられていたら。
もし春希が本当の気持ちを優先し、且つ誠実な男であったなら。
もし雪菜が二人の気持ちに気付いた時点で、身を引くことができたなら。
そんな意味のないたらればを願ってしまうほどに、辛く切なく、そして苦しかったです。
そんな展開が続いていく中でまたBGMもいい仕事するんですよね…あの追い討ちBGMは死体に鞭を打つようなものですよ。ほんとずるい。
この学校生活を経て、今後あの三人はどうなっていくのか、原作プレイ済みの身としてはわかっていても楽しみです。2期も原作同様の出来を期待してます。
追伸
このアニメから丸戸さんを知った方は、是非とも丸戸さんの作品をプレイしてほしいです。きっと気に入ると思います。