空野　落 さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

２クールの良さをうまく活かし、終わりも綺麗に締めた良作

オリジナル作品で２クールという長い期間を上手に利用した良作。
１クール目は大きな動きはなく、キャラ紹介や未熟な部分が描かれており、退屈な部分がある。
ただ２クール目はこの１クール目のジャブが効いており、キャラに対する感情移入がしやすくなっており、人間関係の面白さがある。
これは２クールだからうまくいったものであり、１クールだったら駄作になっていたと思う

評価点
・１クール目はキャラ紹介や成長を描き、２クール目では５年後という間を上手く使い、人間関係と恋愛描写を表現している
・背景や心理描写といった、演出面、アバンやＥＤの入り方、アングルが秀逸であり、さすがはＰＡというレベルの高さ
・キャラの使い方が上手く、特に１クール目でサブキャラがメインになるのは近年なかったのでよかった
・最終話の締めが綺麗に終わっており、作品としては綺麗に終わっている。

問題点
・１クール目の部分が成長部分やキャラ紹介の部分が強く、少し地味であり退屈な部分がある。（演出面でうまくフォローしているが…）
・エナというものが後半では簡単に入手できるようになっており、海と陸との関係が薄く、設定面が後半ずれた気がする。
・キャラを把握してるから良いものの、癖のあるキャラが多い（良い部分でもあるが…）

キャラクター
先島 光
主人公その１。真っ直ぐな性格で、熱血漢であるが、所々中学生らしく幼い部分がある。後半は幼い部分が弱くなり、真っ直ぐな性格が目立つ

向井戸 まなか
メインヒロインその１。前半はヒロイン、後半は空気。如何せん天然キャラであるので、行動力も低く、色々ウザイキャラ。

比良平 ちさき
メインヒロインその２。前半は友人ポジション。後半はヒロイン。５年間で体は大きくなったが、性格はあまり変わらない。変化ということが気になるキャラ

伊佐木 要
サブキャラだがイケメン。海のイケメンとして前半は存在感があったが、後半は若干劣化。ただ、一番最初にリア充になった猛者

木原 紡
サブキャラであるが、主人公属性があり出番が一番多いキャラ。前半は若干空気だが、後半は断トツで出番が多い。陸のイケメンであり、最終的には水陸イケメンになる。実は友好関係が広い

潮留 美海
最初はサブキャラだが、後半は主人公兼ヒロイン。後半で化けたキャラであり、エナを手に入れてからはより主人公っぽくなる。色々相手の気持ちを考えられるいいキャラ

久沼 さゆ
サブキャラで後半もサブキャラ。だが、男前な部分があり、告白はなかなか熱い。見た目はギャルだが、中身はイケメン。

うろこ様
エロ神。ただ呪いをかけたり、意味深発言をしたりする物語の重要っぽい人。


総括
久々に２クールの良さを活かしたオリジナル作品を観た。ドロドロの人間関係だが、キャラクターの性格がある程度わかってから本格化するためそこまで嫌悪感はない。
あとテーマは「変化」であり、このテーマをしっかりと描写できているのは大きく評価すべき点だと思う。