やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
爆発する運命への抗いの物語★
■評価
テーマ性 :★★★ 3.0
殺陣度 :★★★★ 4.0
エログロ度 :★★★★ 4.0
初心者むけ度 :★☆ 1.5
ファン向け度 :★★★★ 4.0
おススメ度 :★★★☆ 3.3
■ストーリー
幼少期から生きるために傭兵をしながら生きてきたガッツは
自分の剣術を凌ぐグリフィス率いる鷹の団に入る事となる。
ガッツとグリフィスは互いの力に惹かれあい、野望の達成は
確実に思われたが、過酷な運命の歯車が容赦なく動き始める…。ダークファンタジー巨編:ベルセルクの前章譚とも言える『黄金時代編』の劇場版になります。
■感想
私は原作漫画はすべて既読済みです。
個人的には思い入れの強い作品であり、ガッツがいたからこそ私も色々な厳しい目にあっても負けるモナカと頑張って生きてこれた!!っと言っても過言ではないです。
色々とドロドロしているのでテーマを見つけるのが難しい作品ですが、本作のテーマは『運命への抗い』になり、その原点となる物語を描いた作品です。
感想から言うと、原作既読者にとっては楽しめる内容になっています。黄金時代編という長大なストーリが良くまとめ上げられており、原作既読者であればガッツたちと一緒に過去を回想している様なストーリー展開になっています。特筆すべきポイントは『合戦・殺陣シーン』での効果的な血しぶきの演出や、様々なアングルでの戦闘シーンの演出の巧妙さになると思います。あたかも視聴者自身が血しぶきをかぶりながら、目の前でガッツが戦っている姿を目撃している様な臨場感があり、あまり目にしない演出なので世の映画監督さんにパクる事をおススメしたいです。(音楽や音響も素晴らしいです)
ただし、悪い点は『ベルセルク初めての方に対して、容赦なく不親切な構成』になっているのが非常に不満です。私にとってのベルセルクという作品の最大の魅力はガッツの強烈な個性と人格であり、それは彼の持つ『闘争心』と『反骨精神』だと思ってます。この2つの要素を作中で爆発させる事で、憎しみや怒りを自身の生きがいに変換し『運命への抗い』の糧とするというテーマ性が強く胸に刻まれると個人的には感じています。劇場版では、このガッツの個性や人格の裏づけとなる描写がおざなりで、彼の魅力が半減している様な気がします。せめて以下の点は何とかしてほしかった。
{netabare}
※ガッツの声優さんはカッコよいが、爆発した感情表現が
必要なシーンでの声量が足りない。
※ガッツ幼少期の体験(ガンビーノのくだり)が、なぜか
映像や音声をぼやかして表現している。
※エロシーンのみが原作に忠実に描かれている。
※ラストシーンでガッツが何のために旅に出ようと
しているのか明確な表現がされて終わっていない。
{/netabare}
全体的に原作漫画を読んでいれば分かるでしょっ!?という表現になっておりこれではベルセルク未読の友人達にどれだけ本作が面白いのか語れないし、紹介できないorz
個人的には続編製作への期待もあるので、新たなファンの獲得は非常に重要だと思うのですが強大な敵に戦いを挑む世界観が似ている『進撃の巨人』と『本作』で、もしどっちが新たなファンを獲得できるか比較するならば、明らかに『進撃の巨人』のほうに軍配が上がるとおもいます。
ウダウダと書いてしまいましたが、総じて原作ファンの私は非常に楽しめる作品でした。初めての方は、TVシリーズを見てから本作を見ると魅力が倍増すると思います。
ご拝読有り難うございました。