にゃんた さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
(無いけど)R-22くらいでも・・・とりあえず口直しが必要
★結論★
正直いって、観ていてかなりの嫌悪感を抱いた。よく言われている「誠○ね」も理解できる。
視聴中は、「こぉの!猿めがぁー!」と罵倒したくなった。
しかし、よく考えてみれば、誠に対して抱いたその感情は、自分の中の「猿」に対して抱く感情でもあるのかもしれない。
一見すると何を表現したいのか分からない、ただの後味の悪いアニメにしか見えないかもしれないが、
しっかりとメッセージは込められていたのではないだろうか。
★ダラダラと詳細★
オスの本能は、とにかく自分の遺伝子を多く残すこと。
メスの本能は、より優れたオスの遺伝子を譲り受けて優れた子孫を残すこと。
本能に従えば、1頭の優れたオスを中心とするハーレムで群れを作る、猿のような行動を取るのが自然なのかもしれない。
しかし、人間には理性がある(というか、理性があるからこその人間なのだけれど)。
そして、男女それぞれの理性を前提として法やモラルが作られ、それによって人間としての社会を維持している。
もっとも、恋愛に限らず、本能に負けて法やモラルを破る行動に出る人間も多い。
社会的に成功した有名人がスキャンダルで没落する光景も珍しくない。
もっと身近なところで言えば、例えば、彼女と一緒に歩いているときにキレイな女性が通り過ぎるのを目で追ってしまうようなことも、本能に負けている瞬間なのではないか。
人間には、まだまだ猿としての側面もあるということだと思う。
私たちの中に、人間と猿(理性と本能)が同居しているのは事実だと思う。
それにも拘らず、私たちの社会は、猿としての面(のほとんど)を劣悪なものとして捉えている。
それは正しいことなのだけれど、結局、部分的に自己否定をしているように思う。
この作品は、このジレンマを描いているのではないだろうか。
清浦刹那が「理性」の象徴であり、伊藤誠が「本能」の象徴であるかのような描き方がされている。
この2つの関係と距離感、行く末によってストーリーが影響されているのだと思う。
ただ、誠が恋愛にルーズな猿という部分は描かれていたものの、それ以外の面で非常に優れたオトコである、という説明が欲しかった。
「見た目が良くて優し(かった)い」というだけでは何人もの女性を虜にする説得力に欠ける。