Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
私の期待を遥かに凌駕してくれた作品でした・・・キャッチコピーは「少女たちが世界を滅ぼす・・・」
この物語は、21世紀初頭・・・突如として現れたいく隻もの第2次世界対戦当時の軍艦・・・その軍艦には人型のメンタルモデルが存在し、そのメンタルモデルが自らの意志で船を操舵しています。
この軍艦らは霧と共に現れるため「霧の艦隊」と呼ばれているのですが、この艦隊に人類は敗北を喫した事から人類は自由な航海ができなくなっていました・・・
しかし、海洋技術総合学院の士官候補生だった本作品の主人公でもある千早 群像(ちはや ぐんぞう)の前に“霧”の艦であるイ401が現れ、彼を艦長として迎え入れるのです・・・
こうして出会った2人は、霧の艦隊と世界の両方を相手に挑む闘いが始まり物語が動いていきます・・・
私は第2次世界大戦時の軍艦には疎いのですが、この作品は視聴前にPVを見た時から物凄く期待をしていました。
作画がとても緻密に描かれている上、戦闘時における圧倒される程の躍動感・・・これがこのままアニメとして動き続けたらどんなに凄い作品になるのだろう・・・と思っていたら、やはり凄い作品になっていましたね♪
この作品の見どころとして軍艦の躍動感を挙げましたが、もう一つはやっぱりメンタルモデルです。
兵器として作られた彼女達ですが、魅力的なまでに個性豊かなのです^^
それはきっと彼女達が感情を持っているからなのでしょうけれど・・・
千早 群像に付き従うイ401のメンタルモデルである「イオナ」を見ていると一目瞭然です^^
でも、この作品は単に擬人化された軍艦が戦闘を行うだけのものではありません・・・
メンタルモデルの持つ感情と意志の力で、彼女達に少しずつ変化が訪れるのです・・・
そして、その変化はイオナだけではありません・・・
千早 群像と接したタカオ、ヒュウガ、ハルナ、キリシマにもその変化を見る事ができます・・・
ここまでくると、彼女達メンタルモデルを私は兵器として見る事はできませんでした^^;
願い・・・一人ぼっちの寂しさ・・・守りたいという意志の強さ・・・
様々な思いと戦況が錯綜し導き出された答えは、きっとこれ以上無い位の彼女達の精一杯・・・
これはもう涙無くしては見れない展開でした。
他にも“霧の艦隊”東洋方面第1巡航艦隊旗艦である大戦艦級コンゴウやイオナの姉妹であるイ400、イ402も登場しますが、群像やイオナに触れた彼女達にどのような展開が待っているのか・・・
それは作品を見てのお楽しみです♪
・・・こうして、1クール12話の作品は終幕するのですが、あっという間でした^^;
この作品では、霧の艦隊が「アドミラリティ・コード」という台詞を口にするのですが、この伏線が回収できていなかったり・・・というのもあるのですが、一番は群像やイオナ達をもっと見ていたかった・・・というのが本音です^^;
また、この作品ではキャラクターを含め作中の動く物体は全編ほぼ3DCGで制作されたそうです・・・
どうりで臨場感も半端無かった訳です^^;
私の期待を遥かに凌駕してくれたこの作品・・・是非・・・というより絶対続編が見たいですっ!
追伸1
イオナの船・・・第2次世界対戦当時の「伊号第四〇一潜水艦」について少し調べてみました^^;
昭和20年1月8日・・・敗戦の年に竣工したのですが、決して幸せな天寿を全うできた潜水艦ではありませんでした・・・攻撃のため出港しましたが、所期の目的も叶わずアメリカ本土に回航し技術調査された後、ハワイ近海で実艦標的として撃沈処分されたのだそうです。悲運の潜水艦だったんですね・・・
追伸2
艦体の艦番号I-401の下に"Dreifach ist der Schritt der Zeit: Zoegernd kommt die Zukunft hergezogen Pfeilschnell ist das Jetzt entflogen Ewig still steht die Vergangenheit..."
と書かれています。「時の歩みは三重である。未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように速く飛び去り、過去は永久に静かに立っている」という意味なのだそうです(wikiより)。
思わず噛み締めたくなるような言葉です・・・^^