S.めぐる さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
愚連の弓矢
一筆、苦言を。
義理で一応最後まで観ましたが、内容は愚かしいとしか云いようがありません。なぜ売れたのか、いたって不明です。少なくとも、自分にとっては。というのも、ただ闘って、ただ死傷者がでて、変身ヒーローが出ればそれで感動、なんて安直すぎるように思うのです。以下、作戦面についての検証。
人類へ。
まず、生身の人間を、体力、体格ともに勝る巨人相手にほとんど装備もさせず、体当たりをさせるその戦闘法自体、問題があります。立体機動装置の設計だと、背骨が折れると思うのですが、そこは問題外にしておくにしても、人間をだけを狙ってきている相手に、人間まるだしのまま行かせては、阿呆の所為にしか思えません。圧縮酸素を作る技術力があるのなら、自分なら、飛行機の開発に力を注ぎますが。
いま一つ気になるのが、あの剣。どう見てもカッターナイフですが、カッターは「切る」道具であって、「斬る」道具ではありません。先端こそ切れますが、骨を断つ前に折れてしまいます。それに反りがない刀は、白兵戦には向いてますが、首を斬り落とすのには向いていません。白兵戦用の剣で、白兵戦など予想されない戦場に向かわされる兵士たち。これでは、死んでも浮かばれません。せめて日本刀を装備させていただきたい。
大砲も問題です。下に向かって撃てる点からみると、どうも施錠(銃でいうとこのライフルマーク)砲のようです。施錠砲なら、アームストロングであれ、クルップであれ、巨人の体を貫くことなどたやすい話です。城壁に無数の砲眼を設け、砲台よろしく、真正面から巨人の顔ごとぶち抜けば、人類はあと100年は安泰でしょう。
長距離索敵陣形は、ある程度合理的であると云えます。しかし、飛行機を使えば、そんな苦労もなくなります。
アルミンの作戦は、巧妙ですが、あれは戦法にすぎなく、大戦略ではありません。それを受け持つべき上層部は一体何をしているのでしょう?
ロクな装備も与えず、作戦の目的もはっきりしないまま、精神力のみで戦おうとする兵士たち。その姿は、さながら、日本帝国陸軍のようでした。
弱者の立場に立たされた者の、特権は、疑い考え、結果、合理的に戦うことですが、その努力を怠り、甚大な犠牲を出して、毎回感傷的になっていまう、主人公たち。スクリーンの外の自分は、全く共感できませんでした。
半巨人族へ
彼らの行動はさらにわかりません。彼らが本気を出せば、人類の滅亡など、明日にでもなるでしょう。その前に、人類を滅亡させろことが彼らにどれほどの利益をもたらすのでしょう?すでに地球の99.9%の土地を(しかも汚染なしの)手中に収めているのに、人間が住んでる、ちっぽけな汚い土地がなぜ欲しいのでしょう?ちなみに自分の部屋の99.9%は、赤蟻が占拠していますが、蟻にとって巨人である自分は、赤蟻どもにかみつかれる危険を冒してまで、彼らの土地を奪おうと思ったことはありません。
とにかく、誰が何と云おうと、好きになれない作品でした。二期を観るつもりはありません