cross さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
綺麗な自然とBGMで緩やかな時間を提供、キャラクター全員の個性が重なってひとつの魅力を演出、癒し系日常作品として非常に完成度が高い。【総合評価:81点】
2013年秋に全12話で放送された作品。
漫画が原作で現在『月刊コミックアライブ』にて連載中。
作品としての大筋は、牛が道路を横断したりバスが何時間に一本なんて単位でしか来なかったり、メインキャラクター達の通う学校は小中学生が同じ教室で授業をし、全校生徒が4人と言うレベルの田舎が舞台。
そんな田舎に東京から親の仕事の都合で引っ越してきた転校生が加わり、田舎独特ののんびりとした日々、都会と田舎のギャップにカルチャーショックを受ける様子、そんな田舎の日常を描いた作品です。
キャラクター達はしっかりとアニメキャラとしての成り立つようにそれぞれに個性を持たせつつ、田舎ならではの生活観をしっかりと描いています。
アニメキャラとしての個性を持たせたキャラクターと、田舎のリアルな生活観の融合で見ていて飽きないものの、肩の力を抜いてのんびりと視聴できる作品に仕上がっています。
この作品で特筆すべきはやはり舞台となっている田舎の大自然、その背景の作画に力が入っていた事ですね。
四季折々、様々な表情を見せてくれる自然を丁寧に描写してくれていたのは、作風ともしっかり噛み合っていて非常に好感が持てました。
そんな自然と調和するような緩やかで心地よいBGMも相まって、自然だけで表現したシーンも多いですが決して見ていて苦はありませんでした。
そして、もうひとつの魅力はやはりキャラクターですね。
抜群のキャラクターデザインや非常に優れたキャラクターが居ると言う訳ではありません。
そもそも若者の人数が限られた田舎と言う環境、故に都会では珍しく友人の年齢幅は非常に広くなっています。
上が24歳の教師から下は小学一年生、この広い年齢の差ですが全員が顔見知りで友人のような関係となっています。
幅広い年齢が存在しそこに友好関係があり、同世代同士の関係をメインに展開する一般的なコメディとは一味違ったテイストを醸し出しています。
そういう意味で田舎と言う狭い環境での濃い交友関係もしっかりと描けていたと思います。
アニメとして成り立つような個性付けは成されているものの、一人一人で見ると決して強すぎる個性と言う訳ではないキャラクター達。
そんな一人一人が持つ個性が重なり合うことで非常に良い味を出していて、主要キャラクター全員でひとつの魅力として成り立っていたように思えます。
音楽面についても自然の作画の時にも触れましたがBGMが緩やかでのんびりとした時間を絶妙に演出してくれています。
綺麗な自然の作画を更に魅力的に演出してくれた影のMVPですね。
そして、OPとEDに関しても、これまた作品の雰囲気、流れる映像面とも非常にマッチした絶妙な選曲だったと思います。
力の入った背景とBGMで緩やかな時間を提供してくれ、キャラクターの主張も強すぎず全員の兼ね合いで魅力を演出。
毎クールこう言う日常癒し系の作品がありますが、個人的には最近見てきたこの系統の作品の中でもトップクラスの出来栄え、真の意味で癒し系日常のジャンルとしての高水準を叩き出してくれた作品だと思っています。
癒し系や日常系の作品が好きな方には是非ともオススメしたい作品、特にこのジャンルが嫌いではないが好きでもない、そんな方も一度視聴してみてはいかがでしょうか。