青陽 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
どんでん返し!押し寄せる怒涛の展開!!
開いた口が塞がらない、とはよく言いますが実際に体感したのは初めてです。ラスト30分くらいガチで口が開きっぱなしでした!
ミスリードに驚きの展開…ストーリーが何転したか…8転くらいしたんじゃないかな。
集中力理解力記憶力洞察力…自分が持ちうる限りの力をフル活用して観ましたが追いつかない部分もありました。前情報がCMくらいだと1度で全てを理解するのはきついですね。
でも、素晴らしい作品なのは間違いなく理解できました。
今年はアニメ映画大豊作の年でした!日本に生まれて良かった!!
魔法少女まどか☆マギカ新編
なかなか観に行けなかったのですが、録画してあったまどマギの11話を観たら居ても立ってもいられなくなりました。クリスマス特典があるということで、これはもう行くしかない!と全てを放り投げて最寄りの劇場に向かいました。
しかし、自分の番まであと5、6人というところで特典が無くなってしまった(^_^)もう少し早く辿り着けば…
ほむらだったら時を遡れたのに…鑑賞前にソウルジェムが濁りそうになりました。
視聴前は
そもそもA○Bみたいに特典とかで釣るのどうなんだろう、まどマギには必要ないんじゃ、ってか品位が落ちるだろとか批判的に思っていましたが
僕のように、観にいく後押しになりえますね。
本当に何度も観る価値がある、観たくなる映画ですし。
でも、そう思っても2回目以降となるとなかなか足が向かわないこともまた事実です。そういう人にとっては良い後押しにもなっていいのかもなーと思いました。
もっと早く観にいけていたら僕も何度も映画館に行っただろうと思います。
ただ、けいおんの劇場版のときも話題になりましたが
特典だけ貰って映画は観ないって人も世の中には居るんですよね。
信じられないです!
それこそ欲望に負けて秩序を見失ってますよね。
…なんか悲しい
無駄話が長くなってしまいましたが、以下は本編の感想です。超ネタバレ注意
{netabare} ~
謎の世界軸からのスタート。
WELCOME to CINEMAの文字から始まるし、いきなりまどかが!犬カレー氏の世界が!!存分に描かれています!!!ここは完全に劇場サービス、映画館に行って良かったと思いました。
でも、どういうことだ!?皆そろってる。
夢オチ…ではないのか!
杏子が同じ中学通ってるし、制服姿可愛いし。
ほむらは昔の眼鏡三つ編みスタイル。
QBとお菓子の魔女がマスコットキャラ的なポジションに!?
敵は…ナイトメアってなんだ!?
マミさんがリーダーポジションだからか!?なんか名前つけてるよ…
と混乱することだらけ。
TV版では望んでも見れなかった5人の魔法少女が勢ぞろいして共闘する姿、見たかったはずなのに…嬉しいはずなのに…なんでだろう、素直に喜べないよ…
狙いすぎたような変身シーンと、魔女の討伐方法。あざとすぎて変な感じ。
同じように、ほむらもどこか違和感を感じてるみたいで。
ここら辺から、観客はほむらを通してストーリーを追うことになります。
ナイトメアは居るものの楽しい日々は過ぎていく。
ある日、美しい高台で。
まどかとほむらは、お互い会えてよかったと話す。しかし、日常の中に残るのは違和感。時折はさまれるQBの目のアップのカットが怖い…。
先生の世界が壊れてしまえばいいって一連の発言がフラグにしか聞こえないし…。
記憶が残っている(?)ほむらは
なぜ杏子が同じ中学に通っているのか、どこに住んでいるかを問う。
以前の記憶が曖昧な杏子。ますます怪しいと思ったほむらは一緒に隣の市に行ってみることに。
しかし、何度試しても見滝原市の外に出られない!
⇨結界が張られている!
皆に知らせなきゃと焦る杏子。今はまだ矛盾に気づいてないふりをしたほうがいいと諭すほむら。距離の近さに顔を赤らめてる杏子が可愛かったですね(。-_-。)
この異変を魔女の仕業と考えるほむら。そうなると怪しいのは…
マミさんに聞くも、いつから一緒だったかあやふや
Bebeなんて名前で欺いてみんなの記憶を弄んでいる。
あいつ…許せない!とお菓子の魔女を襲撃します。
しかし、bebeを守るため現れたマミさん(絶好調)とバトルに!
ここは本当に圧巻でした。一瞬も目が離せない!熟練者同士の戦いだとここまで激しいバトルになるんですね(・・;)
しかし、絶好調のマミさんに敗北。絶好調なら仕方ない
そして話をする中で
絶好調なマミさんの口から魔獣という言葉が!
⇨では今戦っているナイトメアとは?と混乱するマミさん
そこに突如消火器が!煙幕のように広がっている間にほむらは姿を消す。
さやかがほむらを救出するとは!彼女に向かって消火器をぶちまけてたTVアニメ版と対照的な展開ですね
残されたマミは疑問を抱く。そんなとき謎の少女が…!
◇なぜ救ったのか?
さやかは魔女の存在を知っていた。お菓子の魔女がこんな広大な結界を張って、意味もなく自分たちを放っているはずがないと告げる。
ちょっと考えればわかるでしょ?と頭良さげなさやかちゃんです。
でもそうなると、恐らくこの中に魔女がいる。まどかの犠牲を無駄にする、こんな偽りの世界を望んだ誰かが。
まどかの想いを踏みにじるなんて許せない!と憤るほむら
でも、楽しいじゃん、マミさんも今が一番幸せって言ってたし。皆がいる、この世界は皆で戦える。
どうしても魔女を倒さないといけないの?この世界を望むことは本当に悪いことなの?と問いかけるさやか。
水たまりに映るのはオクタヴィアの姿!
あなたが!!と、ほむらは
攻撃をしかけるがさやかに逃げられる。奇跡的逃げ足のさやかちゃんは
まだ私の質問に答えてないよ?という言葉を残していきます。
(ここはさやかが、自分が魔女だとほむらに思わせることでもう少しこの世界を維持したかったのでは?と後で思ったり
でも、普通にほむら自身の願いだと気づかせたかったのかも)
ゴンドラに乗りながら考えるほむら。
確かにこの世界には皆がいる。でもここは偽られた世界。これではまどかの想いが無駄になってしまう。
私はそれを認めるわけにはいかない。とほむらは考えます。まどかの気持ちが第一なんです!
そして、ほむらを探していたまどかと出会います。橋の上からジャンプしてほむらが乗るゴンドラに。魔法少女ってすごい!改めてそう思いました。
突然いなくなってびっくりしたよ!とまどか。
押し倒された感じになり照れるほむら。イイね!
…場所は変わり、2人が以前話していた花畑に。
私でよければ相談に乗るというまどかに、ほむらは怖い夢を見たといって概念となったまどかの話をする。
「まどかが誰の手も届かない遠くに行ってしまって、だけど私以外だれもそれを覚えていないの」
「私はどこにも行かないよ?ほむらちゃんが泣いちゃうくらい辛いことなのに私が耐えられるわけないもん」
ここら辺かな
花畑が一気に枯れていったのはゾッとした
今思えば、ここからが叛逆の始まりだったのだろうか…
「やっぱりまどかも辛かったのね。私が間違っていた、あなたを止めるべきだった…。
あなたは、自分ができるとわかったらどんなに辛いことでも頑張ってしまうの」
まどかがほむらの髪を三つ編みしてあげるシーンが優しくてよかったけど、それがほぐれていくシーンは今後の展開を暗示されているようでなんだか不安な気持ちになった。
!!ほむらが魔女だった!!
杏子と電話しながらほむらはソウルジェムを置いてバスに乗る。
距離が離れても身体がコントロールできる…だと!?
ほむら自身がいつの間にか魔女になっていたことに気づく。
なぜ…!?全ての魔法少女は救済されるはずなのに
⇨鬼畜クソカスQBの仕業だった。
干渉遮断フィールド(?)に囲まれたほむらのソウルジェム。
外部からの干渉を防ぎ円環の理が手を出せなくするとどうなるか。
概念の観測、それに基づいた研究ひいてはまどかの制御が目的だった。彼女をコントロールして魔女が生まれるようにすることで、エネルギー回収の効率を上げるのが狙いなのだ。
その結果、魔女となったほむらはソウルジェム内の結界に一つの街を作り、そこに自分の呼びたいものだけを集めた。
だから、モブの顔が変だったのか!
そこでは、ほむらの力によりまどかが自分の役目を忘れてしまっていたため、しばらくは平穏な日々が続いていたのだが、ほむらが自分は魔女だと気づいたことでようやく話が進み出したのだというQB。
まどほむを実験モルモットのように扱うQBにおれもほむらも怒りが爆発!本当に理論的なだけの畜生どもめ!!でも声は可愛いんだよチクショウ!
現実世界でほむらを観測するGのような大量のQBの群れにはリアルでひいっ!と声が出た。
やっぱり人類とは分かり合えない存在だと再認識…
やつらにまどかを好き勝手させないために、ほむらは絶望とともに生きようと、自身を犠牲にしようとする。
そんな絶望的な終わり方やだよ!救いがなさ過ぎる…と泣きそうになっているところに
さっそうと現れたさやかとなぎさ!!
2人は円環の理に導かれたことで、まどかのお供みたいな存在になっていたようだ。だからさやかちゃんも頭良さげに見えたんだね!
まどかにのみ注目するQBたちの目から逃れ、奴らの企みを伺っていたっぽいです。
円環の理に導かれたことで魔女の力を使いこなせるようになったみたいで、二つの姿を駆使して戦うのはかっこよかった!
もちろん杏子とマミさんも!
ついにティロ・フィナーレいただきました!!
そして杏子の
「胸糞悪い夢を見たんだ…あんたが居なくなっちまう夢。」のくだり最高でした!こうやってレビュー書いてみると、自分が杏子好きだと気づきますね。TV版のときは全く気づかなかったのに…
そうして魔女化したほむらを抑えつつ、干渉遮断フィールドを内側から壊すことに成功する。良かった!!本当に良かった!!!
まどかの矢が天から降り注ぐ。
シリアスなシーンだけど、QBたちのわけがわからないよの合唱断末魔に思わず噴き出したのは俺だけじゃないはず(笑)
今年1番のざまああああ!でした。
なるほど、QBたちの概念に対する叛逆、そして彼らの計画に対する魔法少女達の叛逆だったのかと思ったら違った。
ここから、また超展開!
そうして、現実世界に戻ってこれた皆。
ウユニ塩湖みたいに綺麗な鏡面世界になってたのってここだっけ?
やっと本物のまどかに会える、円環の理に導かれるほむら…と思ったら、アルティメットまどかの手をがっちり掴ンダ!!?
刹那、頭をよぎったのはDBで神龍がピッコロ大魔王に殺されるシーン…嫌な予感しかしない
やっぱり私は間違っていた、本当はまどかだって寂しいし、辛い…それなら、概念という状態からまどかを救わないと…!とほむらは考えたのです!今作ではほむらの思い込みによる暴走が目立ちます
「ほむらちゃん、離して!じゃないと私が裂けちゃう!」というまどか。←ここで変な気持ちになった人は愛すべき馬鹿です
……
ナニガオキテル!!?必死で物語に着いていきます。
…そして再度書き換えられる宇宙の法則。
ほむらの濁りきったはずのソウルジェムは……壊れることなく別のカタチ、違う色になっている!(DQ風)
「これは怒りや怨みとは違う、あなた達には決してわからない人間特有の感情…愛よ!!」というほむら。本来なら正義の主人公的セリフなのに全然そうは聞こえないです!
君はいったい…と言葉を失うQBに対し、神のようなまどかを欺いてしまった、そんなことができる私はさしずめ悪魔かしら?と戦慄するほほ笑みを浮かべながら言うほむら。
この愛の重さは戦場ヶ原10人いても敵わないレベルでは…?
そして先ほどの展開とは逆に、QBすらも支配下に置いてしまいました…!←ここで魔女ほむに撫でられたいと思った人も愛すべき馬鹿です
いや、恐ろしい…悪魔ほむほむを魅力的に感じてしまった自分が!
そうして再び始まる日常。…いや、果たして日常なのか!?
マミさんや杏子は若干違和感を感じてる程度だが、かつて円環の理に導かれたさやかは何が起きたか把握できているようだ。
理に干渉するなんてあんたなんて事を…!とさやか。
私が引き剥がしたのは人格に当たるほんの一部。人間に戻れたからいいじゃない、やがてあなたの今の記憶も消えるわとほむら。
世界を完全に支配してます。しかし、目が…。
そして
今度は転校生としてまどかがやって来る。3年アメリカに住んでたことになっている…
以前とは逆に校内の案内を申し出るほむら。完全にまどかの周りの子が怯えてますけど…。
まどかと呼ぶから私のことはほむらと呼んでとグイグイ攻めるほむほむ。
会話の中で
以前と街は変わらない…むしろ変わったのは私…?と本来の自分を取り戻しそうになるまどかを、ほむらが抱きしめて止めます。
概念に戻りかけて解けた黄色いリボンの代わりに、かつて貰った赤いリボンをまどかに返してつけてあげるほむら。
やっぱり、あなたの方がよく似合うわ。と
…嬉しそうに
最後の問答は意味深です。
欲望と秩序どちらが尊くて大切なものだと思う?と聞くほむら。
まどかは尊いのは規律、ルールは大切だから守らないといけないと答える。
それに対し
いつかは私はあなたの敵になってしまうかもしれないわね。と答えるほむら→エンディング
…もう圧倒され過ぎて顔を覆ってしまい、EDしっかり見聞きできなかったのは愚かでした(~_~;)
…なんとED後に続きが!
ボロボロのQB。ざまああああ!と思っていたはずなのに少し哀れに感じてしまいました。
いつもと違うQBの瞳がアップになっていき、その先にリボンで封じられた扉。
先ほどまどかが我を取り戻しかけたときに無くなったのと同じ黄色いリボンじゃないか…
これは真のまどか(円環の理)をも ほむらが封じ込めているということを暗示しているのでしょうか…。
しかし、一度エンディングを迎えたまどマギをこういうストーリーで展開させてくるとは…。
ほむらの「愛」という欲望がついに暴走してしまい、世界の秩序に叛逆する物語でした。
確かにまどかが 寂しい、怖いという感情を持っていたことは間違っていない。だけどそんな感情を乗り越えて決めた願い
その覚悟をないがしろにしてしまっているという矛盾に
ほむら自身は気づいているのでしょうか?
花畑のシーンでまどかは怖い寂しいし、自分には無理だろうと答えた。でも、偽りの世界のまどかは概念となった記憶を失っている。概念となるに至るまでの悲痛な経験、多くの悲しみを知り、それらを乗り越えて決めた覚悟(願い)を!
そのまどかは体験しないで問いに答えているんだよ?
思いこみが激しく、暴走しちゃうほむらだからその矛盾に気づかなかったのか。
それとも、気づいてたけれど
概念となり、次に会えるのは自分が消滅するとき=それが最後で、もう会えないことを憂いていたのか。
ずっと時を繰り返して
まどかの安否を、幸せだけを祈ってきたほむら。実はその願いの裏にはずっと2人でいたい、2人だけで居たいという欲望が潜んでいたのだろう。そういう意味ではさやかと似てるかも
円環の理に導かれることで、まど神さまの従者のような存在になれることを知ったけど
(魔女として暴走していたから知らなかった可能性もあるが)
それを良しとしなかったのは、まどかを自分のものにしたいという独占欲、常人では理解できない深すぎる愛があったからではないか。
書き換えられた世界で皆がいて平和な日常。
これがほむらやまどか、皆の望んだ姿なんでしょうか?
デスノートで月が完全勝利する未来を見たいと思っていたけど、もしそうなったら同じようにモヤモヤするエンディングになっていたのかな?
何が本当の幸いなのかわからなくなる作品です。
映画は素晴らしい出来でとても楽しめましたが、なんだかモヤモヤする…。
なぎさちゃんを含めて皆がいる世界だし、そういう意味では救われているんだけどやはり救われてないような、違和感が残る…。
魅力的で素敵なんだけど、やっぱり悪魔はダメだよ…
この作品では、真の意味でのハッピーエンドは迎えられないのでしょうか?
いや、希望を求めることを諦めてはダメですよね。
まだまだこの先に続く物語が観たいです!
叛逆の物語に対して、対義語だと帰服の物語、恭順の物語?
いや、それだと違うな。望むのは調和の物語、希望の物語
タイトルは違うだろうけど、続編があることは間違いないと思います。いつまでも思っています、待っています。
{/netabare}