タマランチ会長 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
後味の悪さを感じた方へ
2時間近くの映画。実に後味が悪い。
ラストは、ほむらのエゴでまどかを囲っちゃうって結末だった。でも、ほむら自身自分の罪深さについては理解しているし、それが正しくないとも自覚している。単なる我儘だとわかっていての叛逆。
反抗期の少年少女が、家出とか親に歯向かうとか、そういうことをしてみても、時がくればある程度満足してそのエネルギーは無くなっちゃうんだよね。反抗期の終わり。夏色キセキで、4人が終わらない夏休みを満喫して自分たちから終わりを迎えたように、ほむらもまたそういうことになるのだろうと想像できる。その時、自分を顧みた瞬間が、なんとも美しく、独特の充実感があるもの。つまり、自分が納得しての叛逆の終わり。だけれども、この映画は叛逆の始まりでラストを迎えている印象。
何と言っても、ほむら自身が「いずれまどかとは対峙することになるかも」と、そういう結末を示唆している。そうなればほむらは当たり前のように白旗を挙げるだろう。感謝の言葉を口にするのか、謝罪するのか、突っ張りとおして力尽きるのかは分からないが、彼女は間違いなく納得するだろう。ほむらに感情移入している私(視聴者)としては、彼女が納得するまで物語は進めてほしいし、そのときの彼女の表情こそ観たい。絶対に感動的な結末を迎えられたはず。
というわけで、後味の悪さだけが残った。TV版は納得のいく面白さだっただけに、残念。