てけ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
私、戦車に乗りたいです
メディアミックス作品。
戦車を使った武道、「戦車道」を中心にすえた、マイルドなスポ根もの。
作中では、戦車道は女子がたしなむものだそうです。
男子にはあまり似合わない。
華道や茶道みたいな位置づけです。
見せ方がとても上手です。
戦車はいかにもCGって感じ。
しかし、それがいい方向に働いています。
重量感もスピード感もあるし、何をしているかがわかりやすい。
戦車視点での視界も見ていて面白いですね。
ほとんど全編にわたって戦車戦が描かれています、
気合が入っています。
スポ根部分は柔らかい仕上がりです。
苦難の連続というわけではなく、女子高生特有の和気あいあいとした雰囲気。
普通の部活動っぽく、楽しく見られます。
テーマは「勝つことの意味、負けることの意味」。
{netabare}
負けた学校が精神的な味方になっていくのがいいですよね。
負けたからってそこで終わりじゃない。
{/netabare}
そんな中、戦略や戦術を駆使して強豪校と渡り合っていきます。
実際にとられた作戦や、兵糧、士気などの要素も取り入れられており、かなり本格的。
戦争物が好きでも十分楽しめる内容です。
もったいないのは、登場人物が多すぎて、ひとりひとりの印象が薄いこと。
私の印象に残ったのは、
・主人公のみほ
・何でも恋愛につなげる沙織(さおり)
・高飛車なカチューシャ
あとは名前すら覚えていません……ごめんなさい。
まあ、キャラクターの掘り下げを行うには時間が短すぎますね。
それに、テンポの良さというメリットを捨てることになるので、仕方ないと思います。
結果的には十分満足のいく仕上がりでした。
おすすめできる良作です。
【おまけ】
……ところで、あんな大規模な部活動。
予算がいくらくらいかかっているのか気になります。
ざっと調べてみました。
あんこうチームの乗っていた4号戦車が、昭和12年の時点で10万3500ライヒス・マルク。
当時のフォルクスワーゲン・ビートルが1000ライヒス・マルク。
現在フォルクスワーゲン・ビートルは300万円程度で取引されていますので、
300万÷1000×10万3500≒3億500万
また、アヒルさんチームの乗っていた八九式戦車が、昭和12年の時点で約8万円。
当時の大学の初任給が約60円。
現在の大学の初任給が約20万円ですので、
8万÷60×20万≒2億7000万
つまり、しょぼい戦車でも1両あたり3億円くらいします。
ひゃー!
魔改造したり痛戦車にしたりしちゃっていいんですか!
しかも、何両~何十両と保有して、市街地まで貸し切っちゃって……。
部費だけで何十億円も必要になります。
そりゃ、{netabare}廃校騒ぎ{/netabare}になりますわな。