jethro さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シンプルに磨きこまれた贅沢アニメ
見渡す限りの畑と田んぼ
学校はたった1クラスしかなく
しかも中学生と小学生の混成で
生徒数も5人という典型的な農村
そんな田舎の、のんびりとした日常を
この学校に通う子供たちを中心に
季節感たっぷりに描くハートウォーミングドラマ
意図的に男のキャラクターを廃しており
基本、女性のキャラクターしか登場しません
唯一レギュラーとして登場する越谷家のお兄さんも
一切セリフがない役回り
ゆえに最終回、蛍(ほたる)の父親が登場して
一言でしたがセリフがあった事には新鮮な驚きを覚えました。
あくまで「自然に恵まれた田舎と子供たち」がテーマ
そこに大なり小なりの恋愛劇を持ちこみたくなかったのでは?
と推測しています。
ならば男だけにしても良かったのではという逆説も考えられますが
より季節に敏感で、感性豊かに描ける対象として
女の子をチョイスしたのだと思います。
タイトル通りのんびりとした作品で
とても、わかりやすい物語ですが
おやっ?と思う点が一つだけありました。
越谷家と宮内家の判別がつかなかったのです。
しばらくの間、蛍 以外は兄弟姉妹かと思っていました。
これは、登場人物達があまりに仲よく
家族ぐるみの付き合いをしているからなんですが
そんな誤解をしていた人いませんでした?
念のため、お伝えしておくと
タヌキの置物が玄関にあり母屋が二階建ての方が、宮内家
つまり、れんげ と一穂(かずほ)先生の家
壺が玄関先に置いてあり平屋建ての方が、越谷家
小鞠(こまり)、夏海(なつみ)、兄ちゃんが住む家です。
本作では特定の地域を舞台としていないので(部分的なモデルはあるようですが)
地域密着型作品にありがちな、観光名所は出てきません
それゆえ、そういったものに寄り掛ったようなエピソードはありません
田舎讃美の要素はありますが
そいういことより、都会にある雑多な要素を廃することで
自然、学校、家族、友達といった関係を
シンプルに、なおかつピュアに描き出す事に重点を置いており
例えば
会話の最中に時折見られる信じがたいほど長い無音の間は
情報過多な世界観では得られない、ほっこりとしたものがあり
大いに笑わせてもらいました。
また、音楽に頼らない情景カットの多用は
変な言い方かもしれませんが、とても贅沢な気分にさせてくれます。
2013年秋アニメ唯一のほのぼのアニメであり
今期 1、2位を争う事が出来る良作だと考えます。