「千と千尋の神隠し(アニメ映画)」

総合得点
87.7
感想・評価
1806
棚に入れた
12253
ランキング
143
★★★★☆ 4.0 (1806)
物語
4.1
作画
4.2
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
4.0

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三崎鳴 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメ映画興行収入一位、伝説の作品。

スタジオジブリ作品11作目。興行収入300億円超、第75回アカデミー長編アニメ賞他国内外で多くの賞を受賞した大ヒット作品。内容は主人公の荻野千尋の不思議な町での労働を描いたもの。スタジオジブリ作品ということもあって世界観・音楽・演出はどの面をとっても抜群に良い。
【ただこの作品って風/俗の話なんだよなぁ…】
自分はこの映画を公開当時に一度鑑賞した。そして、金曜ロードショーの枠で繰り返し放映されてたことで何度もこの作品に触れる機会があり、評価を幾度も改めている。しかし、いつまでも宮崎駿監督に見えているビジョンがどうも見えそうにないのだ。まず第一、作品内のトンネルの向こうと現実世界の間には子供の世界と大人の世界という線引きがある。不思議の町は風/俗業をイメージして構成された世界、となればそこは大人の世界であり,行われるのは大人の仕事である。“カオナシ”というキャラクターは汚い大人の欲望が具現化した存在であり、銭婆の元へ向かう電車の乗客は死者をイメージしたものか、途中駅にいた少女は「蛍の墓」の節子なのか、それならやはり死後の世界との接続か、と多種多様な考察や解釈が渦巻いているのがこの作品である。捕らえ方には様々あり、心理学的な捕らえ方や、“子供の頃に誰もが見た夢”を投影しているのか、監督の意向はどうも難しい方向にあるようだ。ジブリ作品の評価が毎度毎度異なる方向性の特性を持つのはこういった駿監督の意向の変化のせいである。本作が広く評価されているのはそういった本来のテーマ性は視聴者の内面に薄っすらとしか植えつけられないことから“あまり難解な作品に感じない”ことと、盛り上げ方の巧さから“ワクワク感”がとまらないことにある。

投稿 : 2013/12/23
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