まーさちゃ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
駄作ではないが、傑作でもない。
このアニメは、大きく分けるのであれば、3部構成になっている。
・古典部及び神山高校学園祭にまつわる謎に挑む「氷菓」。
・映画研究会の自主制作ミステリー映画の脚本を推理する「愚者のエンドロール」
・学園祭で次々と起こる連続窃盗事件を解決する「クドリャフカの順番」
上記以外に単発の話がいくつか収められるという形で、全22話構成になっているというわけだ。
まず、最初の「氷菓」は、物語の導入部分としてはまずまずだったと思う。千反田えるの好奇心を発端として、「やらなくていい事はやらない」という省エネ主義を掲げる主人公・折木が強引に巻き込まれていくという図式になっており、視聴者に対していかにも挑戦的で、「これからどんな謎解きを見せてくれるのか」と、少し期待を持たせてくれる。
次の「愚者のエンドロール」も、それなりに面白い。ただ、個人的には、この話がこのアニメのクライマックスだった。
と言うのも、「これからもっと盛り上がるんだろう」と要らぬ期待をしている分、その後の展開がその期待を超える事が無かったからだ。あっと驚くような大事件&名推理が飛び出すわけでもないし、ヒロイン千反田・主人公折木の関係もあまり発展しない。
つまり、ミステリー作品としても、学園青春モノとしても、中途半端に終わってしまっている。特に後半については退屈にすら感じた。
京アニの制作ということだけあって、キャラ描写を含めた作画は秀逸だし、OP・EDの完成度も高い。間に挟まれるクラシック音楽も、演出としては凄く良かった。だけど、ストーリーをさほど重視しない人でない限り、その部分だけでこのアニメを評価するのは困難だ。