jethro さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
小さなエピソードが光る
ある日突然、宅配便に届く謎の立方体
それは、父親から送られてきた呪われた道具 ワースだった
少女の姿に擬人化した立方体フィアの目的は
自らにかけられた呪いを解くこと
主人公 夜知春亮(やち はるあき)は
この願いを叶えるため手助けを始めるが
彼らの前には様々な障害が立ちふさがるのだった・・・
ラノベ原作の魔道具擬人化アクションラブコメディ
「ef - a tale of memories」の監督でもある
作家性あふれる大沼 心 監督の演出が光ります。
初回のテンポが非常にスピーディで好感触
簡単に言うと「細かい事は良いから話を進めよう」みたいな
謎の立方体が届いたら・・・
その謎が謎を呼び・・・
それが何であるか調べる事に奔走し・・・
擬人化したら、それに疑念を抱き・・・
更にその謎を解き明かそうと・・・
思考錯誤が繰り返され・・・
なんて・・・そんな遠回りな
本筋までの長い道のり、予定調和のオキマリ事は一切ありません
その謎の物体の事を基本あらかじめ知っているという事こそ
予定調和となっいる点が本作の真骨頂で
即座に本題に突入し物語がどんどん進展していきます。
これは思い込みがもたらす意外性でしたが
掴みとしてはバッチリでした。
ただし、主要テーマでもある呪いの解除に関して
呪いを解くには「善行を行う事」としながらも
倒した相手から得られるパーツを組み込む事も
一つの解除要因としてしまっているため
少々テーマ性が、ぼやけてしまっており
本来、この善行によって視聴者が得られるはずの
感動というパートがなかなか見えてこない
そして極め付けは、大風呂敷を広げてしまったような最終回
当然ながら尻切れ感満載
これはかなりのマイナス点になります。
ただし
犠牲愛にも似た錐霞(きりか)の行為のように
胸が締め付けられるようなエピソードもあり
これらを見るだけでも充分な価値がありますので
個人的にはオススメしたい作品です。