かすけす さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
親子愛がテーマなのに親子の距離が遠い気がする...
昨日のテレビ放送で初めて視聴しました。もう1年半ぐらいの間、私の「観たい」の棚に眠っていた作品ですwやっと観ることができたよ...
ですから、視聴前の期待はかなり高めでした。細田監督の前作品「サマーウォーズ」もかなりの良作だったので。
しかしこの作品は残念ながら、「良作」とはとても思えなかったです。母親の子育て、子供の成長を日記のように展開していく構成で、親子愛をテーマにした作品だと思うのですが...
まず母親の花と、子供の雨と雪が親子同士とは思えなかったんですよね...。なんというか、親子の間に壁があるというか、心から分かり合えていないような気がしました。物語がスピーディーに進んでいったので仕方なかったのかも知れませんが...親子の距離が縮まっているのが分かるような描写をもっと入れて欲しかったですね。
人間と狼のハーフ(?)である雨と雪は、{netabare}最終的に雨は狼として、雪は人間として生きていくことになるのですが{/netabare}、そうなるまでの経緯や描写が簡潔過ぎた気がしてならないです。
雪は、{netabare}幼少期はやんちゃで時々花を困らせたりして手のかかる子でしたが、やがておしとやかに成長します。これは後に雪と関わってくる草平との絡みにおいてとても重要な事だと思うのですが、それを、他の人とは離れた行動をいていることに気付いて恥ずかしくなりやがて人間らしくおしとやかに生活を送っていった、というような感じのナレーションだけで片付けてよろしかったのでしょうか。2時間ちょっとの尺でまとめなければいけなかったとはいえ、正直そんな雑なことはして欲しくなかったです。{/netabare}
対して雨の描写は雪と比べたらよく描けていたと思います。{netabare}豪雨の日の朝に雪に、今日は家にいたら?というようなセリフを言ったシーンは野生の本能が出ているのが実感できて良かったですね。しかし、雨が野生に目覚めるきっかけとなった、アカキツネの先生に出会った詳しい経緯は?自分が見過ごしてしまっただけかもしれませんが、個人的にはその辺の描写を分かりやすくしてほしかったです。{/netabare}
あとこれは根本的な話でツッコんでも仕方ないのですが、相手がおおかみおとこと分かっていたにも関わらず、なんの躊躇いもなく子供を作ってしまうのはどうかと思います。その事についていくらか葛藤を描いて欲しかったですね。こんな事にツッコんでも物語は進まないしキリないと思ったのですが、これだけは気に障ってしまったので書かせていただきました。
物語の筋は通っていて展開として分かりやすい内容でしたが、所々で大切な描写が抜けていたり簡潔に片付けられてしまったりして、結果的に画面上で成長日記を淡々と見せられているだけな気がして物足りない作品でした。