takarock さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
近年の京アニ作品を振り返る -中編-
最初に断っておきますが、このレビューはTV放送終了後(2013年1月)に他所で書いたものです。
(この頃は人に読まれていることを意識し過ぎて無駄にギラギラしてましたw)
ちょっとだけ加筆(修正)してます。
「氷菓」のレビューでも言いましたが、最近の京アニの萌手法は
あざとさと可愛さのギリギリのポイントを押さえた
小動物のような可愛さを活かす手法だと思います。
このアニメで言えば、くみん先輩や凸守、六花など
主要なキャラのほとんどがその典型例です。
もちろんモリサマーだって例外ではないんですけどね。
分かりやすい例で例えましょう。
要は子猫が戯れている動画なんです。
猫動画に内容なんて求めるのはあまり意味のあることではないですし、
子猫の可愛さは男だけでなく女も可愛いと思うでしょう。
それが最近の京アニの萌手法だと僕は思いますし、
原作が第1回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作であるこの作品も
その手法を最大限活かそうとしたものでしょう。
で、この作品を語る上で最大の焦点となるのが、
後半のシリアス展開は是か非かということなのですが、
僕ははっきり言って後者です。
猫動画とシリアス展開は、例外はあるにせよ、基本的には水と油の関係です。
例えば「けいおん!!」で
メンバー同士の軋轢とかのシリアス展開を持ち込まれても
そんなのファンは望んでないだろうし、何より合わないでしょう。
無理に内容なんてものを求めなくてもこのアニメのキャラクターたちならば
話のテンポや会話のやり取りだけでも充分勝負できたはずです。
どうしてもテーマ性を取り入れたいということなのであれば
あんな性急に事を進めるようなやり方でなく、
もっとやんわりと表現する方法もあったのではないでしょうか。
「ひたすら子猫のような少女たちの戯れを観ていたい」
こう思った視聴者は決して少なくはないと思います。
今の京アニからはどんな素材でも俺ら(京アニ)の手にかかれば
お前ら(視聴者)を満足させられる萌作品をいくらでも作れるぜという自信を感じます。
確かにこの小動物の可愛さを取り入れた萌えは、他の製作会社と比しても抜きん出ていると思います。
しかし、あまりにやりすぎると移り気な視聴者から飽きられてしまうかもしれませんけどね。
僕がこの時言った「無理に内容なんて求めなくてもいいのに。。」というのは
皮肉にも次の京アニの作品によって実現されることになります。
同時に最後に僕が言った皮肉、
つまり移り気な視聴者の身勝手さも発露されていくことになるのです。