てけ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
淡泊質
原作未読。
主人公は勉強の虫、水谷雫(みずたに しずく)。
彼女は、隣の席の変人不登校生徒、吉田春(よしだ はる)と出会う。
ふたりの恋のシーソーゲーム。
テンポのいい話でした。
あっという間に1話が終わって、気づいたら最終回という感じ。
多分、短く感じたのはネタのおかげです。
スタッフは、ネタを挟まなきゃ死んじゃう病にかかっています。
1話目から大笑いさせてもらいました。
ストーリーはよくある三角四角関係の恋愛もの。
ただし、キャラクターたちが異常にさばさばしています。
特に主人公の雫は、淡泊オブ淡泊。
棒読み。
ドライアイス。
私は友達がいらない。
うじうじ悩んだりせず、自分の気持ちには素直に行動します。
そのせいか、泥沼展開になりません。
見ていて気持ちいいですし、キャラクターも魅力的に感じます。
ところが、きっぱりしすぎているのが問題。
0か1か思考になりやすく、シーソーがなかなか安定しない。
これが物語の見どころです。
まあ、ドロドロした展開がお好みなら、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。
あと1歩で泥沼化しそうに見えるのに、入り口で引き返すような感じです。
ライバルが登場かと思いきや、雫や春がそんなことはお構いなしだったり、ライバルのほうから自主退場したり。
キャラクターが淡泊ならお話も淡泊です。
なお、名言がいくつか。
好きなのをピックアップ。
{netabare}
・「がんばるのは、手の届く範囲でいいんじゃね?」
染みます……。
がんばっている人って、自分に期待しすぎてつぶれてしまう可能性が高いんですよね。
・「寂しいっていうのは相手がいるから感じるもんなんだよ」
これは雫と一緒に「なるほど」となりました。
最初から一緒じゃなければ寂しいも何もありませんからね。
一緒になるなら、失う覚悟もしないと。
{/netabare}
残念なのは、話が完結していないこと。
投げっぱなしになっている要素が多すぎます。
特にサブキャラクターたちの恋愛事情はどこへやら。
まるで打ち切りになったみたいにぶっつり。
いくらさっぱりした雰囲気とはいえ、終わりまでさっぱりしなくてもいいのに……。
{netabare}
1話の冒頭で「話さなければいけないことはたくさんある」。
最終話の最後にまた同じセリフ。
1クールにおさめるにはたくさんありすぎたみたいですね。
{/netabare}
でも、そこに至る過程だけで十分に楽しめました。
ラブコメとしては良質な部類。
原作は完結しているようですし、これは2期に期待したいです。