「君が望む永遠(TVアニメ動画)」

総合得点
69.9
感想・評価
554
棚に入れた
2961
ランキング
1687
★★★★☆ 3.5 (554)
物語
3.8
作画
3.3
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.6

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jethro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

痛みを感じる恋愛

名作、そう言っても良い作品ではないでしょうか
2003年制作 画面サイズは4:3 SD作品
「キング・オブ・ヘタレ」「ツンデレ」などの言葉を生みだした作品だそうです。
(実際はゲーム原作なのでそちらの語源ですが・・・)

どんだけヘタレなのか? どんだけツンデレなのか?
そんな先入観で視聴を始めました
しかし、視聴し始めてそんな先入観などすっかり忘れ
ドラマにのめり込んでいました。

ヘタレにしても、ツンデレにしても
最近のラブコメにみられるモノとは根本から異なります。
最近のヘタレの描かれ方と言ったら
台本の稚拙さから来るものだったり
相手の気持ちを理解できない単なる鈍感だったり
はたまた、ただのバカだったりしますが

本作の場合
緻密に練り込まれた台本の妙技であり
その中に描かれる人物たちが織りなす
気持ちと気持ちの重ね合いから生じる行き場のない状況によるもので
性格から派生するヘタレではありません
だから本来的な意味でのヘタレではないのです。

そういう意味で本作の視聴は、苦しいです。
息が出来なくなるほど苦しい
胸が締め付けられるような痛みがあります。
アニメなのに、特殊な出来事など一つも起こりません
魔法もなければ、奇跡も起こりません
「昼ドラ」や「メロドラマ」のような突拍子もない展開も
最初の導入部に1つ用意されているだけで他は皆無
にもかかわらず、登場人物たちの一挙手一投足に心揺さぶられます。
なぜなのでしょう・・・
それはきっと
人物の心情変化がリアルに描かれているからなのではないでしょうか

普通恋愛ものと言えば
愛の告白と成就までの「経緯」がメインストーリーとして描かれますが
本作は他と大きく異なり
「付き合い始めて以降」がメインストーリーとなります。
だから物語は「告白と成就」からスタートします。
恋は下り坂、愛は上り坂
恋に落ちるのは簡単、でも愛を育むのは容易い事でないという事ですが
ラブストーリーも
「恋」を描くより「愛」を描く方が難しいのではないかと思います。
「恋」は無責任な状況が容認できますが
「愛」はそういう訳にはいかない
どうしても社会的な責任抜きには考えられなくなってしまうのですから・・・
自然とリアルにせざるを得ない訳です。
アニメでこんな真っすぐに描かなくても・・・と思うかもしれません
でも本作は真剣に直実に最後の最後まで方針を変えずに物語を描ききります。
だからこそ、名作と呼ぶに相応しいのだと思います。

全ての恋愛アニメの手本、起源とも言うべき作品です。
是非一度、味わってみていただければと思います。


追記
元祖ツンデレキャラ 大空寺 あゆ がシリアスなドラマを
素晴らしく気持ちの良いタイミングで和らげてくれます。
そのツンデレぶりに惚れてしまう人も多いかも

投稿 : 2013/12/18
閲覧 : 295
サンキュー:

6

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