てつ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:----
バンパイアハンターD
現在34巻まで続いている超大作小説「吸血鬼ハンターD」を原作にした、日米合作のアニメ映画。
◇あらすじ◇
絶対的な力を持つ吸血鬼たちが「貴族」として君臨し人々を脅かす、遥か未来の世界。
数あるハンターの中でも最強と謳われる「吸血鬼ハンター」の主人公、Dは
バンパイアを狩る側でありながら、自らもヒトと吸血鬼の間に生まれた“ダンピール”であった。
人々に疎まれながらもハンターとして旅を続けるDに、今回舞い込んできた依頼は
「貴族」マイエル=リンクにさらわれた娘、シャーロットを助け出してほしい
というものだった。
◇コメント◇
原作でイラストを担当しているのはゲーム「ファイナルファンタジー」でも有名な天野喜孝。
彼の絵柄は独特の美しさを持っているが、本作はその世界観が上手く表現されている。
まず画面の緻密さと美麗さ、絵柄の繊細さに目を奪われること必至。
さらに勢いと迫力のある映像とBGMで、物語に登場するハンターたち、
そして立ち向かうべき敵の衆がいかに計り知れない力を持っているかが
ひしひしと伝わってくる。
また、遥かな未来という時代設定だが、かなり科学が進化した後に衰退していったという設定のため
基本は中世のヨーロッパっぽいのに、名残として色々な近未来アイテムが登場する、といった感じ。
そういう中世+科学の組み合わせは今となっては珍しくないかもしれないが、
劇中に出てくる馬が電子ゴーグルのようなモノをつけているのを見ると
やっぱりこういうファンタジーってイイなぁ~と思ってしまう。
この物語の主人公はDとなっているのだが、個人的に今回のお話では
マイエルとシャーロットの2人が主役ではないだろうかと思う。
先の読めそうな展開ではあるが、話の運び方にも美しさを感じる。吸血鬼という設定がただの飾りになっていないストーリーの切なさも好きだ。
映像にしても、物語にしても、
この映画をひとことで表すなら「耽美」という言葉がふさわしい。
アニメ映画好き、吸血鬼モノ好きの方でまだ観ていない方は是非どうぞ。
ちなみに日米合作なので、日本の声優が声をあてた物と、外人さんによる英語+字幕の物がある。
てつ的には英語バージョンの方が雰囲気が出てて好き。