STONE さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
空を奪うことで得られる世界平和
原作は未読。
2期ものと言うより、分割2クールものの2クール目と言った方がいいか。
戦場における非情さ、そこで生きる人間達の感情、そしてそんな世界ゆえの乾いたユーモア
など、前作のテイストは見事に引き継がれている。
またアール、トージョ、ワイリなど1クール目では掘り下げられなかったキャラの掘り下げが
なされているのが嬉しい。
前作はココ達が世界を巡るといった印象が強かったのに対して、本作はココが進める謎の
計画が次第に姿を現していくこともあって、ココを巡って世界が動くといった印象。
実際は相変わらず世界を飛び回っているココ達だがこれがトラベル感満載で、ココ達と一緒に
旅をしているような気分に浸れるのがこのシリーズの好きなところの一つ。
この計画がストーリーの主軸になるため、本作は国際謀略モノといった側面が強くなる。
そして、この計画の核である「ヨルムンガンド」の正体が明らかになり、前作からココが
言っていた世界平和とはどういうものであるかが判明するが、前作のガンアクション中心の
頃から考えると随分とスケールの大きな話になったなという印象。
この計画に関して、ココの考え自体は理にかなっているももの、倫理的には悪といったもので
あり、そのためかココの表情も悪役然としたものが増えてきて、ラスボスといった雰囲気。
このココの計画に対して、ココの部隊の大半は同調する中、ヨナは反旗を翻す。もっとも他の
メンバーは計画自体の肯否と言うより、ココという人間を信じて付いてきているみたい。
それに対してココの部隊を去ったヨナだが、彼の場合、頭で考えてというより感覚的にココの
計画に嫌悪感を抱いたものに見受けられる。結局、明確に反対と言うより、どう捉えたらいいか
判らず、逃げ出したというところが正解か。
実際、子供でなくても「戦争が無くなる代わりに、すぐに70万の人間が犠牲になる。但し、
本当に戦争が無くなるかどうかは保証しない」と言われてしまうと、この命題に対する賛成、
反対を選ぶのはそれなりに躊躇しそう。
結局、ココの言うとおり、世界中が紛争状態になったため、ヨナは部隊に戻り、ココの計画は
ついに遂行されるが、これで世の中から戦争は無くなるのか?、それともキャスパーの言う
ように人は戦争を止められないか?・・・。