雷撃隊 さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
壮大なプロローグ
未来福音を先日見たので本編を振り返っています。最終回まで見終わったあと見返したいと思える作品は偉大だよね。
第一章は全体のプロローグにしてレギュラーキャラの顔見せっぽい雰囲気だ。両義式、黒桐幹也、蒼崎燈子、黒桐鮮花、そして荒耶宗蓮。彼らによるサイキックバトルみたいな世界観に一気に引き込まれた。もともとこのシリーズは梶浦由紀さんのサントラ目当てで見始めたのだけど、見事に当たりくじだった。タイプムーンの作品群は一見マニアックに見えても結構予備知識無しでも楽しめる内容が多い。本作は怪奇+アクション+ラブコメがミックスされた良質のエンターテイメントだ。しかもテレビアニメ並みの長さを全部映画でやらかしたのは偉業と言っていい。作画レベルの高さはすげーの一言。
梶浦由紀さんのサウンドトラックは演奏会のような錯覚をおこさせる。とにかく曲と映像のシンクロがぴったりだ。「まどか」や「フェイト・ゼロ」でおなじみの「KALAFINA]もこの作品のために結成されたグループだ。各章のエンドロールで流れる主題歌は物語を5分に凝縮したような歌詞が素晴らしい。歌もストーリーの一部に組み込んでいる。歌を先に聞いてから映画を見ると歌の印象がガラリと変わる。映画版「まどか」の「君の銀の庭」とか本作第三章の「傷跡」とか曲だけだと「綺麗な歌」だったのが作品と一緒になると「怖い迫力がある歌」に変貌してしまう。梶浦さん、凄い作詞能力だ。ちなみにこの第1章の主題歌「OBLIVIOUS」は空の境界全体のオープニングテーマに近いイメージの曲だ。未来福音の「アレルヤ」まで10曲聞くと一連の物語音楽が完成する。隙がないね。
初めて見た時はどんな内容か判りにくかったが、各エピソードのタイムテーブルがバラバラだった。でも順番に見ればすべての複線が回収されるので心配無用。でも時系列順に見るのも有りかな。
これ、2000年代の傑作なのでおたくや萌え豚じゃなくても多くの人に自信を持ってお勧めできる作品だ。オタクやアニメファンだけが独占するのはモッタイナイよいや、マジで。