雷撃隊 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
嬉しい同窓会
終始穏やかな空気が漂う不思議な魅力の映画だった。単独の映画というよりファンディスクでありシリーズ全体のエピローグでもあり同窓会でもあり嬉しい気分になった。でも本編7章見てないと意味不明だろう。でもそのことがマイナスにはなっていない。あくまでハッピーエンドのその後なのでオマケみたいなものだから(褒め言葉)
本編の式と幹也は巨大な敵と運命に立ち向かう戦士のような魅力があったが今回は戦いを終えて成長した彼らが日常を謳歌しつつ次なる戦いに備えているような新たな魅力があった。
事件が起きない日々の式と幹也の日常は彼らの戦いの目的そのものだろう。ヒーローでも平和な人生送れるんだね。ラストに登場する二人の子供は登場人物全員が幸福になった証明でもあり、見ているこちらまで嬉しくなる。主題歌「アレルヤ」を聞いたとき、式、幹也、鮮花、燈子さんたちに出会えたことが誇らしく思えた。
新キャラのメルカと両義魅那も魅力的だ。このコンビで新たな探偵物語ができそうだ。石田、金元コンビの掛け合いも楽しい気分にさせられた。二代目主人公コンビ結成だ。この二人も希望の象徴だろう。親子二代で事件を解決すうる日が来るのだろうか。
音楽に関しては言うことなし。梶浦さん、今回もいい仕事してます。特に初詣のシーンから「dolce」にかけてはまるでコンサートのよう。素晴らしいのひとこと。「アレルヤ」も空の境界全部の終幕にして原点回帰ともとれる名曲だ。まさに未来福音。
このシリーズ、原作と映像の相互補完が完璧に上手くいった稀有な作品だろう。TVシリーズ並の再生時間を映画でやらかした贅沢さ。しかも登場人物全員の結末を綺麗に描いておりまるで隙がない。尻切れトンボが多い中よくぞここまでやりきったと感動する。これからも「空の境界」は僕にとって大切な作品になるだろう。あと偏見さえなけりゃオタや萌え豚じゃない「一般人」でも十分楽しめるだろう。多くの人に自信を持ってお勧めできる傑作だと思う。本編7章+番外編2章みんなで見よう(笑)