runa21 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
激しく共感
感動するとかそういう次元ではなく、
「共感」する面白さもあるんだなと思いました。
ここから先は自分の黒歴史になるので
ウツになりたくない方は読まないでください。
自分は教育実習に行ったことがあります。
自分と同じ時期に教育実習に入った人が
何人か居たのですが、
その中で自分は底辺にいました。
「底辺」って結構きついんすよ。
特に「先生」のはね。
担当していたクラスの生徒と
親しくなれなくて、
実習室では、生徒と話さないから、
真っ先に帰っていたんです。
遅く帰ってくる実習生なんかは
生徒とこんな話して~とか語ってるんです。
かなりきつい疎外感ありましたね。
その実習生と歩いていたときに、
彼女のクラスの生徒とすれ違ったんです。
自分置いてけぼりにされて、
かなり親しく話してて、
「おいおい」って思ってたんだけど、
「じゃぁね。」って生徒とやっとはなれたときに、
さっきまで実習生と仲良く話してた生徒が
「あいつ調子に乗ってるよね」
「ふざけてんじゃねーよ」
って言ってたんです。
なんていうか・・・
自分的にすごく怖くなってしまって。
言われたのは自分じゃないんですが、
常に「大人」として評価され続けてんだな
って気付いてしまったが最後、
教壇に立つのがすごく怖くなっちゃったんです。
35人の生徒がいっせいに自分の方を見て
「大人」としてテストされてる気分になるんです。
くすくす笑い声が聞こえると、
何か変な事言っちゃったかなって気になったり、
もしかしてスーツ破れてる!?とか思ったり・・・。
自分の一挙一動全てに気を使わなくちゃいけなくって
かなり参りましたね。
「大人」として遅刻するのは
いけないことだとわかっているし、
生徒にもそれを強要しているのにもかかわらず
満員電車にどうしても足を踏み入れられない気持ちとか
すごく良くわかります。
逃げたくない気持ちもあるけど
逃げ出したい気持ちもあって、
電車に乗れなかったあと、
すごく後悔するんです。
何で乗れないんだって自分を責めたり。
だからそのまま家に帰るのは
負けた気になるし、もう二度と
外に出て行けなくなるような気もするんです。
だから、家にも帰らず、
あそこで過ごしたいんだって気持ちに
本当に共感する。
16歳の頃の自分が思っていた
「大人」な年齢になった自分は
その頃となんら代わりがない。
でも、
周りからは
16歳のころに抱いていた「大人」である
自分を求められ続けて、
評価され続けるきつさ・・・。
だから、雨の日のあの時間は
彼女にとっては救いだったんです。
逆に彼にとっても、同じことで、
何も知らないからこそ、
あけすけに夢を語ったりできるわけです。
正直専門職を目指したいとき
それが本気すぎれば過ぎるほど、
バカにされるのが怖いし、嫌だし、
「どうせ無理だろ」って裏で思ってんだろ
とか思っちゃったり。
そんなこと思っちゃう自分が嫌になったり・・・。
とにかく誰にもいえないんです。
あるアナウンサーが
幼い頃からアナウンサーになりたいと思っていたけど
内定が決まるまで誰にもいえなかった
って言っていました。
そういうこと言うのって
はずかしいんです。
特に普段バイトや家事で
学生でありながらすでに「大人」である彼には、
周りに素直に打ち明けることはできなかったと思う。
でも、自分を深く知らないからこそ
言えてしまう事もあるし、
それを応援されたとなれば、
本当にうれしかっただろうと思う。
この話ってすごく短いのだけど
とにかくいい。
特に自分はあまりにも「共感」してしまったので
特別良かったと思える作品でした。
ちなみに
自分は教育実習終えて免許取りましたが
教壇には二度と立ってないですね。