roro-k さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
このひとをかたると....
NHKが当時の日本アニメーションに製作を依頼した初めてのアニメ枠作品であり宮崎駿さんにとっては初の監督作品となりました。 1978年放送4月より放送。
もっとも当時は 一話完結の形式ではないストーリーアニメであったため 視聴者の多くはハナシの概要がつかめず、視聴率もふるわなかったそうです。
但し、当時のご同業のクリエイター達にあたえた影響ははかりしれないものがあり、支持する方も多かったと聞き及んでいまス(実際には一般的に 宮崎監督がクリエイターとして評価されるようになるのは「ルパン三世 カリオストロの城」がTVの再放送で人気を博してからになります)。
「未来少年コナン」は最終戦争後にほとんどの大陸が水没してしまって20年後のセカイが舞台です。 ごく一部を除き 一般的にそれまでのテクノロジーのほとんどが失われています。
とにかくこの主人公は自然児そのものです。後に親友となるジムシィもそうですが驚異の身体能力をもっていまス。そして物語ノカギを握るヒロインのラナ、この娘はテレパシー能力を持っています。といっても宮崎監督はそれらの能力を“異能なもの”とは描いていません。 ワタシはそれらに関しては一種の「ニュータイプ的なモノ」ととらえさせて頂きまスた。 新しい過酷な環境に対する適応力のようなものなのかも と、言う意味で。
宮崎駿というヒトは子供たちに理屈を語らせません。大事なモノのため、友を助けるためにとにかく行動していく姿がスガスガシイです。 なるほどダイスもモンスリーもコチラ側についてしまうのもナンとなくわかる気がしまス。
が、出ましたレプカ行政局長。
とにもかくにも悪い、ワルイ。さすがムスカのオリジナルだけのことはあります(違いまス。この二人に因果関係はアリマセン、たぶん)。
エリートでアタマが良くてドSで情けのカケラもないエゴイスト、ああ。宮崎アニメの悪役の雛形ここにあり(でも、コレって宮崎さんの“一番キライなタイプの寄せ集め”みたいな気がするのはワタシだけでしょうか? なんとなくなんスけど)。
「ギガント」 宮崎駿さんはこういうのの描写でもメカへのコダワリと愛情を感じますネー。この最終兵器の発進から機上でのあまりに“あにめーしょんなアクション”満載なたたかいはもはや伝説です。
この作品を観るとアニメーションは“動画作品”なのだというアタリマエのことを再認識させられまス。やはりアニメは動いてみせてナンボのもの、 こうゆう作品を創り上げてゆくのが宮崎駿というヒトなのですヨ。
純粋なクリエイターの志だけが創りえた名作です。